サッカー日本代表のワールドカップF組突破の可能性は高い だがベスト8は至難の業に (3ページ目)
予想としては、がっぷりよつに組み合った末、1-2の黒星。2010年南アフリカワールドカップのときのように「1点差でも内容的には完敗」という試合にはならないだろうが、最後は個の能力の差でオランダに軍配が上がると見る。
ただ、初戦を落としたからと言って、日本が精神的に追い詰められることはないだろう。2戦目の相手は、グループ最弱と見られるチュニジアとの一戦。この試合に勝利すれば、グループリーグ突破の可能性はぐっと高まる。
アフリカ予選の10試合で失点ゼロという数字が示すとおり、伝統的に堅守のチュニジアも、日本にとっては得意とは言えないタイプの相手だ。そういう意味では、ゴールをこじ開けるにはそれなりに苦労するだろうが、前回大会のコスタリカ戦の反省を胸に、今回は主体的にゲームを支配して、勝ち点3を手にしたい。
問題はまだ対戦相手が決まっていない3戦目だ。ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアの4チームが対象となるが、順当にいけば、ヨーロッパ予選でオランダと同じグループの2位だったポーランドが最有力だろう。日本にとっては、ロシアワールドカップで3戦目に対戦した相手だ。
今回のチームも、予選でオランダと2度引き分けを演じたように、実力的にはFIFAランキング31位という数字以上のレベルの相手と見るべきだ。各選手の所属クラブを日本のそれと比較しても、ほぼ同格。ただ、日本はこの試合で勝ち点1を獲得すればOKだ。
いずれにしても、日本がベスト32に進出する可能性は75%以上と思われる。その最低条件と言えるのが、2戦目のチュニジア戦での白星であることは間違いないだろう。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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