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サッカー日本代表で今後に期待の選手は? 福田正博「ブラジル戦で得た経験を次につなげてほしい」

  • text by Tsugane Ichiro

福田正博 フットボール原論

■サッカー日本代表がブラジル戦初勝利。福田正博氏がパラグアイ戦も含めた10月シリーズのプレーぶりで、ワールドカップ本番に向け今後の期待が持てる選手をピックアップした。

【見事だった逆転勝利】

 日本代表にとって、これ以上ない自信を手に入れたテストマッチだった。

 10月14日に行なわれたブラジル戦の前半は0-2とリードを許す展開。これまでの日本なら後半もズルズル失点を重ねて敗戦というパターンだったろう。それが後半に南野拓実、中村敬斗、上田綺世と、3ゴールを奪っての逆転勝利。見事だったと言うしかない。

ブラジル戦でのプレーで評価を高めた鈴木淳之介 photo by Sano Mikiブラジル戦でのプレーで評価を高めた鈴木淳之介 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る 今回のブラジルは、GKやDFラインなどに故障者がいたことでフルメンバーではなかったから日本が勝てたと見る向きもある。また、親善試合ではなくワールドカップ本番の舞台だったら、ブラジルは違う陣容で異なるメンバーを起用したはずだ。

 それでも、前半に負った2点のビハインドを取り戻して追い越すのは容易いことではない。ましてや相手はブラジルだ。そもそも過去を振り返っても、勝利はおろか、ゴールを奪ったことさえ数えるほどしかない相手なのだ。

 日本が初めてブラジルと対戦したのは1989年7月。0-1の敗戦から歴史がスタートしているが、そこから2022年の前回対戦まで13戦して0勝2分け11敗。しかも、ゴールを決めたことがあるのは、1995年8月の親善試合(1-5)、2005年6月のコンフェデレーションカップ(2-2)、2006年W杯(1-4)、2017年11月の親善試合(1-3)の4試合しかなかった。

 ちなみに、ブラジルからの得点は、私が1995年に初ゴールを決め、そこから中村俊輔と大黒将志が2005年、玉田圭司が2006年W杯、槙野智章が2017年に奪った。過去30年でわずか5人しかいなかったブラジル戦での得点者が、今回の試合で一気に3選手増えた。これほど喜ばしいことはないし、これから先さらに多くの日本代表選手に、ブラジル戦での得点者として歴史に名を刻んでもらいたい。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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