サッカー日本代表のブラジル戦歴史的勝利を林陵平が詳細解説 後半変わったのはハイプレスだけではない (2ページ目)
【後半からのハイプレス】
後半の日本は何が変わったかというと、ハイプレスですよね。
ブラジルの2CBには日本の2シャドーである久保と南野が。アンカーのカゼミーロは1トップの上田綺世がパスコースを消す形で見て、インサイドハーフのふたりには鎌田大地と佐野海舟。
そうなるとSBにボールが出てくるんですが、ここにはWBの堂安と中村が出る形で、3トップは3バックが見る。まあ、オールコートのマンツーマンのようなハイプレスをやったんですが、これによってブラジルのビルドアップは機能不全になり、日本は自分たちのペースに持ち込みました。
結局、今の日本は間違いなく「いい守備」が「いい攻撃」につながっている。このいい守備から前でボールを回収することができ、全体が高い位置にとどまってプレーできたのは大きくて、日本はWBの堂安や中村のところで攻撃の起点が作れるようになりました。
この流れでゴールを奪えたのもよかった。1点目は前からのハイプレスが本当にうまくはまって取れたゴールだったので、日本は自信になったと思います。
2点目はシャドーとWBの関係から。右サイドで堂安の縦方向のパスに交代出場の伊東純也が走り込みクロス。ファーサイドで中村がボレーで決めました。
日本はWBも使った5トップ気味の攻めをうまく生かせました。まず大外の堂安に、ブラジルは左SBのカルロス・アウグストが対応したことで右前にスペースが生まれ、伊東がそこへしっかりランニングしてパスを受けた。そしてそこにブラジルの残り3人のDFがスライドして対応すると、逆サイドのスペースが空く。そこへ中村が入ったわけです。
伊東のクロスもインフロントではなくインステップの伸びるキックで、ファーサイドの中村を意識したもので、すばらしかった。中村のボレーも普通だとインステップで蹴りたくなるところを、正確性を考えてインサイドで合わせましたが、技術的にはかなりレベルが高い。完璧な形でゴールが生まれて同点になり、テンションが上がりました。
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