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【サッカー日本代表】久保建英の「無理にでも仕掛ける責任」がブラジル撃破の引き金となった (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【1対1の場面でもれなく勝負】

 なおも久保はゴールへ向かっていく。40分、右サイドからカットインしてカルロス・アウグストの前へ身体を押し込み、バランスを崩されながらもペナルティエリア内へ持ち出す。インテル所属の左SBが、後方から身体を寄せてくる。久保が思わず倒れるものの、ここでも主審は笛を口に運ばない。

 前半アディショナルタイムにも、久保が右サイドを崩す。タッチライン際で堂安律からのパスを収めると、スピードに乗って縦へ持ち出す。左CBルーカス・ベラウドを振りきって右ポケットまで運び、右足でクロスを入れる。しかし、DFにブロックされた。

 1対1の場面でもれなく勝負を挑み、相手DFを翻弄した。明確な意図を持って、久保は「仕掛ける責任」を負ったのだ。

「誰かがあれぐらいやらないと、ホントに格下みたいな感じになってしまう。結果としてクロスをマイナスに送ったほうがよかったな、とかいろいろとありましたけど、やっぱりこっちも一発あるぞっていうのを見せておかないと、流れを引っ繰り返せない展開になってもおかしくなかった。そこは積極的に、特に2失点してからは無理にでも仕掛けていこうかなと思いました」

 ペナルティエリア内で倒されたシーンについては、「どうなんでしょうね」と切り出す。さらりと本音を明かした。

「まあ勝ったからいいですけど、公式戦だったらちょっと取ってほしかったですね、あれは」

 1-2というスコアと前半のパフォーマンスを考えれば、後半開始早々の54分での交代は早い印象だ。ただ、久保は左足首の痛みから、10日のパラグアイ戦の出場を見送った経緯がある。

 森保一監督との事前の話し合いでは、「最初から45分か、無理をしても60分」というプレータイムの制限が設けられていた。「なんかその(前半で交代する)雰囲気をちょっと感じたんで、いける、いけるって言いました」と、久保は苦笑いを浮かべた。

「今日のタイミングで戻ってきて、いいところまで持ってこられたので、これだったらもうちょっとやりたいなって思いました」

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