U-20ワールドカップで地元チリも完封し2連勝 前評判が低かったU-20日本代表快進撃の理由 (3ページ目)
こうなると、ホームの大声援が余計なプレッシャーになるのも、サッカーの常である。
試合終盤、次第に焦りが見え始めたチリの攻撃に対し、日本が失点しそうな危うさを感じることはまったくと言っていいほどなかった。
「前半の終わりのほうからそうだったが、相手のプレスが少し弱くなっている実感はあったし、そこでセンターバックとボランチ間のパス交換も増えたので、いい形で前向きでボールを受けられるようになった」
そんな大関の言葉どおり、時間の経過とともに、むしろ効果的な攻撃回数を増やしたのは、日本のほうである。82分には「長いボールからセカンドを回収するという狙い」(大関)が当たり、途中出場の横山夢樹(FC今治)がミドルシュートを叩き込むと、赤く染まったスタンドは静まり、事実上勝負が決した。
終わってみれば、日本は初戦に続く、2-0の快勝である。
この勝利でグループリーグ2連勝とした日本は、勝ち点を6に伸ばし、1試合を残して決勝トーナメント進出が決定。まだグループ内での順位が確定しておらず、日本には1~3位までの可能性があるが、仮に第3戦に敗れて3位になったとしても、全6グループの3位のなかで成績上位4カ国に入ることが確定したためだ。
得失点差でプラス4の貯金がある日本は、グループリーグ最後のニュージーランド戦で勝ちか引き分けならもちろん、負けても大敗を喫しない限り、1位通過が濃厚という有利な状況にある。
とはいえ、せっかくなら、ここまでのいい流れを決勝トーナメントにつなぐためにも、グループリーグの締めくくりでもたつきたくはない。選手を入れ替え、主力を休ませながら、内容や結果もついてくれば言うことなしだ。大関が語る。
「先を見据えたときに、3連勝して上に行くか、2勝1敗や2勝1分けで行くかで全然違うと思う。2連勝できたのはすごいことだけど、優勝するのが目的なので、もう一回気を引き締めて3戦目を頑張りたい」
日本がU-20ワールドカップに出場するのは、今大会で12回目を数えるが、無失点での開幕2連勝は史上初。アジア予選でのもたつきもあり、前評判が高いとは言い難かったU-20日本代表が、さらなる勝ち上がりを期待させる快進撃を見せている。
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