サッカー日本代表が10月にブラジルと対戦 いまだ勝ったことのない相手に勝利なるか (3ページ目)
【近年の対戦でも一方的な内容が多い】
ブラジルとの最初の試合は、スコア的には0対1の接戦だったが、実際は一方的な内容だった。では、最近の試合はどうなのだろう?
日本代表が最後にブラジルと戦ったのは、2022年6月6日。国立競技場で対戦し、0-1で敗れている。
また、その前は2017年11月10日にフランス北部のリールで戦っている。
ロシアW杯出場権を獲得した日本は、その準備として欧州に遠征。ブラジルとベルギーと対戦している。率いる監督はヴァイッド・ハリルホジッチだった。スコアは1対3。これも接戦あるいは健闘に見えるけれども、内容は一方的だった。
ちなみに、その前の対戦は2014年10月のシンガポールでの親善試合で0対4の完敗。さらにその前は、2013年6月のブラジル開催のコンフェデ杯開幕戦で、この時も0対3の完敗だった。
つまり、最近の4試合で日本代表はブラジルに11失点もしているのである。
1989年当時に比べれば、21世紀に入ってからの日本代表ははるかに強化されたはずである。欧州のクラブで活躍する選手も増えていた。だが、それでもブラジルにはどうしても敵わなかったのである。
個々の試合にはさまざまな事情がある。
たとえば2013年の試合は、地元開催のコンフェデ杯開幕戦だったのでブラジルが合宿を行なってしっかりと準備していたのに対して、アルベルト・ザッケローニ監督の日本代表は暑いドバイでW杯アジア予選のイラク戦を戦って、そのままブラジルに直行。到着したばかりで疲労がたまり、時差調整も終わっていなかった。
2013年コンフェデ杯ブラジル対日本戦のチケット(画像は後藤氏提供)この記事に関連する写真を見る また、2014年の親善試合では就任したばかりのハビエル・アギーレ監督(現、メキシコ代表監督)がどういうわけか主力組を休ませてブラジル相手に若手選手を多数起用した。さらに、2017年当時の監督はヴァイッド・ハリルホジッチで、選手たちが監督の指導に疑問を抱くなかでの試合だった。同監督が解任されるのは、その4カ月後のことである。
リールでの試合も、けっしてボコボコにされたわけではない。とくに後半は日本がボールを握って再三ブラジル陣内に攻め込んでいる。そして、62分に井手口陽介が蹴ったCKをファーサイドの槙野智章がヘディングシュートを決めて、1点を返すことに成功した。
だが、それは後半にブラジルがトーンダウンしたからだ。
ブラジルは10分にネイマール(当時パリ・サンジェルマン)のPKで先制。17分にはネイマールの2本目のPKをGKの川島永嗣が防いだものの、その後のCKを日本がクリアしたボールをマルセロ(当時レアル・マドリード)が強烈なミドルシュートをたたき込み、さらに36分には右サイドのダニーロ(この試合は出色の出来)からのクロスをガブリエウ・ジェズスが決めて3対0とした(ふたりとも当時マンチェスター・シティ)。すると、以後、ブラジルは明らかにトーンダウンしてしまったのだ。
実は、ブラジルは中3日でイングランド戦を控えていた。それで3ゴールを決めた後は、省エネに徹したのだ(イングランド戦はスコアレスドロー)。
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