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サッカー日本代表が主力にケガ人続出の緊急事態 9月北米遠征の最大の不安は3バックと守備的MF (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【チャンピオンシップに多くの注目選手が】

 2シャドーはこれまで、南野拓実(モナコ)、久保建英(レアル・ソシエダ)、鎌田の3人で争い、そこから若干遅れて旗手が続くという展開だった。そのなかから鎌田が抜けるとなると、スタメンは南野、久保で決まる。しかし2シャドーは、フルタイム出場するポジションではない。

 枠は通常4だ。先述の旗手、佐野航大、そして先のオーストラリア戦でスタメンを飾った鈴木唯人(フライブルク)、さらにはE-1選手権で活躍したジャーメイン良(サンフレッチェ広島)を加える手もある。

 中村敬斗が選外になりそうな左WBは、オーストラリア戦で代表デビューした平河悠(ブリストル・シティ)を推したい。左右ができる多機能性。馬力もある。スタッド・ランスからベルギーリーグのゲンクへと所属クラブのレベルを下げた伊東純也より、チャンピオンシップ(イングランド2部)の上位クラブでプレーする選手たちの格は上と見る。インドネシア戦で代表復帰した森下龍矢(ブラックバーン)もしかり。他にも、斉藤光毅(QPR)、坂元達裕(コベントリー)など、試すべきサイドアタッカーがチャンピオンシップには数多く控えている。

 1トップは、上田綺世(フェイエノールト)、前田大然(セルティック)大橋祐紀(ブラックバーン)が候補となる。町野を休ませるなら、しばらくメンバーから外れている小川航基(NEC)や、その小川と所属クラブでスタメン争いをしている20歳の塩貝健人を抜擢する手もある。

 今回の遠征で不安を抱えるのはCB、守備的MF陣になるが、構造的な問題として捉えるならCFになる。これから9カ月で、この問題をどこまで解決することができるか。最適解を見つけ出すことができるか。日本のワールドカップでの成績はこれで決まる。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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