サッカー日本代表・長友佑都は今も心を燃やす 狙うは「世界一」と言い続けるチーム最年長の思い (3ページ目)
【世界一は決して夢物語ではない】
インテルでタイトルは獲得できなかったものの、イタリア8年間で200試合出場を達成。その後、移籍したガラタサライではトルコリーグ優勝にも貢献した。
2021年にFC東京に戻った際、長友は「まだ世界一のサイドバックになれていない」と自己評価を下し、34歳ながら向上心はまったく衰えていなかった。そして今回、あらためて日本代表として「世界一を目指すその一員になること」を公言した。
長友が「世界一」を口にする時、それは決して夢ではなく、現実的な目標として捉えている。その決意はこれまでの経歴を見ても疑いの余地はなく、今回も力づくで実現させようと努力するだろう。
今回のE-1選手権に招集された若手たちは、そんな長友とどのように接していたのか。
FW原大智は、子どもの頃に初めて買ってもらったユニフォームが長友のものだったという。サインをもらいにいったエピソードも教えてくれた。
長友と同じ明治大出身のGK早川友基は、大会中にふたりで話をしたという。「佑都くんは経験を話してくれた」らしく、ワールドカップといった世界を少しでも現実的なものとして伝えようとしてくれた。
同じ最終ラインでプレーしたDF綱島悠斗は、大先輩の経験を何かしら盗もうと必死に迫ったという。長友に「うっとうしい」と言われるほどの徹底マークで距離を詰めていた。
長友は豊富な経験を若手に惜しみなく分け与えつつ、選手として世界一になることにフォーカスしている。39歳で自身5度目のワールドカップ行きが実現するかもしれない──そう思わせる真剣さで、長友佑都はE-1選手権に臨んでいる。
著者プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。
【フォーメーション】5年後のサッカー日本代表に長友佑都は?
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