サッカー日本代表に佐野海舟が帰ってきた 佐野航大とカズ&ヤス以来32年ぶりの兄弟スタメンあるか (3ページ目)
【佐野航大は地獄の6週間を乗り越えて】
続けて海舟に、「活躍が続いているのだから、代表に選んでほしいのでは?」という質問を投げてみた。
それに対し、海舟は「それはまったくないです。自分が決められることでもないので、自分のできることにフォーカスしないと。選んでくれとかはあんまりなくて、それは人が決めること。自分がここでやること、自分の課題に向き合うことしかできない。やり続けるだけです」と静かなトーンで淡々と返してきた。
森保一監督は以前に、「こちらが選ぶのではなく、選ばせてやるくらいの気概を持ってプレーしてほしい」という主旨の発言で選手の奮起を促した。そういう意味でならば、佐野海舟はやはり森保監督に選ばせたひとりと言えるだろう。
一方、取材現場での弟・航大は常に明るく、兄・海舟よりもコミュニケーション上手な印象だ。ただ、丁寧に言葉を尽くして質問に答えてくれるあたりは共通点。
オランダのNECナイメヘンには2023年夏に所属し、すでに2シーズンを過ごした。今年になってオランダで会った時、航大は地元クラブである前所属のファジアーノ岡山の様子を気にしていた。
初めてのJ1シーズンについて、「メンバーを見ても、木山(隆一)監督のやり方からしても、俺は驚かない」と上位進出を信じ、さらに「新スタジアムが早くできないですかね」と思いを馳せる。わずか1年半しか在籍しなかった古巣について話し出すと止まらない。
今年1月、フォルトゥナ・シッタート戦で中足骨を骨折し、約2カ月の戦線離脱を経験した。復帰は3月30日のAZアルクマール戦。リーグ戦7試合の離脱で済んだわけだが、「骨折ってもっと時間がかかるものだと思っていました」と呑気に話していた。
ただ、負傷から2週間は歩くことさえできず、走ることも6週間はできなかったそうだ。航大は当時を「この6週間が地獄でした」と振り返る。
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