谷口彰悟が語ったセンターバックとしての覚悟「何度でも復活できるし、何度でも立ち上がれる」 (2ページ目)
【追いかけた行為に後悔はひとつもない】
DFとしては、戻る時のスピードも考える。全力疾走してしまうと、方向転換するのは難しくなるし、FWのなかにはあえてスピードを緩める選手もいる。プレーしながらも瞬時にいろいろなことを考え、イメージし、判断していくのだが、相手が前に入ってきた時に自分がスピードを緩められなかったために、ファウルを取られてしまった。
結果的に、開始からわずか15分で退場処分になり、首位に立つゲンクに2-3で敗れる結果となった。しかも、ゲンクとの一戦は「リンブルフダービー」だっただけに、ふたつの意味で痛い敗戦であり、責任を痛感した。
自分自身も、日本代表として戦ったオーストラリア戦でオウンゴールをした直後の退場処分だっただけに、落胆は大きかった。
「こうも(ミスが)続くものか」と──。
ベルギーに帰国して、気持ちを仕切り直して迎えた矢先の事態だっただけに、なおさらだった。退場したあとも気持ちは切り替えられなかったし、試合後もすぐに映像を見返して、今、つづったことを考え、整理した。本当にいろいろなことを考えさせられる数日間だった。
前回のコラムでも触れたが、DFは失点に直結するポジションだ。GKも含めて守備に関わっている選手で、失点に絡んでいない選手はいないと思っている。仮に、絡んだことのない選手がいたとしたら、その選手は守備をしていないことになると、僕自身は思っている。
もちろん、オウンゴールの場面も、DOGSOで退場になった場面も、ミスはミスとして反省し、改善しなければいけない。映像も含めて振り返る必要はあるし、改善策を見つける必要もあると思っている。
それでもなお、僕自身は、相手FWに抜け出された状況で、最後の最後まで何が起こるかわからないと考え、追いかけようとした行為に後悔はひとつもない。
自分自身で「姿勢」と表現するのは少し違うかもしれないが、日本代表やシント・トロイデンでも、守備に対する細かい対応、相手にゴールを許さない気持ちや取り組みについては、誰よりも強いという自信を持っている。
そして何よりも、その自信があるかぎり、自分はたとえミスをしたとしても、何度でも立ち直れる自信がある。
2 / 4