元ヤングなでしこ・田中陽子が振り返る20代 「戸惑った」こともある日本時代、スペインのサッカーは「楽しかった!」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko

【フィジカルが強かったスペインサッカー】

――海外移籍はいつ頃から考えていたんですか?

 世代別代表で、海外のチームと対戦しはじめた頃からですね。男子もそうですけど、海外のサッカーってもう雰囲気が違うじゃないですか。あの雰囲気だからミラクルなプレーも起きると思うんです。そういうのが好き! 観客のパワーというか、ホームもアウェーも含めていろんな要素があって、あの雰囲気が生まれてくる。もともと新しいところに出ていくことが好きだったし、中学の頃から海外に触れてきたから慣れていたのかもしれません。

――そういう点では満を持してのスペイン行きだったのでしょうか?

 INACで3年プレーして、ノジマは4年半いました。その1年前に一度スペイン行きを考えていたんですけど、チームのその時の状況や契約条件などが合わなくて断念した経緯があったんです。次のシーズンのノジマはあまりうまくいってなくて、チームの雰囲気が変わってきた時期に、今ならチームメイトも送り出してくれるだろうなっていうタイミングで再びスペイン行きの話が来たんです。

 気がついたら私も26歳で、結構日本で長い時間プレーしたなっていう感覚がありました。若い頃のイメージだったら、もっと早く海外に出てもよかったなっていう年齢になっていたんです。

――実際、スペインはどうでした?

 楽しかったです! スペインってつなぐイメージがあるかもしれないですけど、最初に行ったスポルティング・ウエルバで感じたのは、結構フィジカルが強くて、突っ込んでくるということでした。そこで割りきりながら適応することになりました。

 最初は正直、「なにこのサッカー......」って感じだったんですけど、でもそういうところから自分を適応させていくその過程が好きみたいで(笑)。ノジマの時もそうだったけど、そういうのをイチから楽しめました。自分の中身を成長させていくのって楽しいんですよ。

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