パリ五輪代表MFのメンバー入りは最終予選の主力でも安泰ではない激戦 生き残るのは誰か (2ページ目)
ここにアクセントを加えるのが、荒木遼太郎(FC東京)だ。前述の3人に比べ、何でもこなせるタイプのMFではないが、裏を返せば一芸には秀でている。
優れた技術と多彩なアイデアという点で比類のない才能を持っており、このチームでは替えが効かない。先発出場はもちろん、勝負どころで、いわゆる"ゲームチェンジャー"としての役割も期待できる選手である。
バランスの取れた藤田、山本、松木と、スペシャルな荒木。この4人はメンバー入りの最有力候補だろう。
5人目以降はほかのポジションとの兼ね合いや、OAの活用次第というところもあり、判断が難しいが、筆頭候補を挙げるとすれば、川﨑颯太(京都サンガF.C.)だ。
もともとはボール奪取を得意とするアンカータイプのMFだったが、所属の京都でインサイドハーフを務め、攻撃面にも磨きをかけた。中盤の3つのポジションならどこでもこなせるだけに、MFを5枠と考えれば、川﨑がメンバー入りする可能性は高まる。
また、ここに来て大きな注目を集めているのは、佐野航大(NEC)である。
昨夏、ファジアーノ岡山からJ1経験がないままオランダへ渡ると、1年目にして25試合出場5ゴールを記録し、現地でも高い評価を受けた。松木とともに昨年のU-20ワールドカップに出場し、ボランチとしてだけでなく、サイドハーフでもプレーしており、自在性は高い。柔らかなボールタッチで相手を抜き去り、チャンスを作り出したシーンでは、目の肥えたアルゼンチンのファンからも喝采を受けていた。
ただ、佐野がこのチームに加わったのは、この6月のアメリカ遠征が初めてだった。わずか18人しか登録できない大会に、ほぼぶっつけ本番の選手をメンバーに加える可能性はそれほど高くないだろう。
ましてMFにOA枠が活用されるとなると、さらに可能性は低くなるはずだ。
ただし、OAの影響を受けるのは、必ずしも川﨑や佐野だけとは限らない。遠藤航(リバプール)や守田英正(スポルティング)など、複数の選手がOAで加わることになれば、当然、23歳以下の選手の枠はそれだけ減らされることになってしまう。
有力候補に挙げた山本や松木でさえも、安穏とはしていられない。そんな状況も起こり得るのかもしれない。
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