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「日本代表の3バックは急成長している」 スペインの知将がシリア戦を高く評価 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【「個の力の差も顕著だった」】

 はっきりと言えば、日本はクーペル・シリアをものともしなかった。次第にプレスをかいくぐる。そうなると、ゴールまで怒濤の勢いだった。

 前半14分、左サイドを駆け上がった中村が、マークを外した上田へ絶好のクロス。これを上田はヘディングで豪快に突き刺した。文句のつけられないサイド攻撃からのゴールだった。20分には、久保がドリブルで攻め上がって堂安にラストパス。堂安はふたりに立ち塞がれたが、左足を振りきっている。22分には、久保がゾーンを完璧に破りかけたパスが必死に足を出した相手に当たり、オウンゴールを誘っている。

 前半の3-0で、ほぼ試合にケリをつけた。各所で日本は、シリアを個人で上回っていた。選手は戦術システムを運用し、個の力の差も顕著だった」

 エチャリはそう言って、ほとんど手放しで称賛している。

「後半、シリアは一縷の望みにかけて攻勢を強めてきた。ハーフタイムに、クーペルが檄を飛ばしたのか。おかげでボールも持てたし、クロスやミドルで脅かしたが、決定機はなかなかつかめなかった。

 日本はあえてペースを落とし、無理をしていない。3点をリードし、リスクをかける必要もなかった。試合展開とは別に、CKからの町田浩樹が放ったダイナミックなヘディングシュートは目を引いた。かつての吉田麻也のように、攻撃の際、空中戦が得意なタイプかもしれない。

 終盤に入ると、シリアに消耗が見え始め、日本は交代で入った選手が中心になって、明白な戦力差を提示した。74分、鎌田大地のスルーパスに相馬勇紀が抜け出し、PKを誘ったシーンは象徴的だろう。どちらも交代出場だった。

 最後は86分、南野拓実が力強くボールを持ち込んで、駄目押しの5点目を決めている。南野は一時不振に陥っていたが、全盛期の輝きを取り戻しつつあるか。やはりゴールに近いところでプレーすると、高い能力を発揮できるアタッカーだ」

 エチャリは選手個人の能力を寸評しながら、最後にこう締めくくっている。

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