三戸舜介はパリ五輪メンバーに生き残れるか 左・右ウイング、インサイド...たった18人の構成枠にはうってつけ (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【三戸舜介が「らしさ」を見せたシーン】

 三戸は試合後、プレーを簡単に総括した。

「得点に関わることができてよかったなと思います」

 受けた指示は、それぞれのポジションで違ったという。

「サイドの時はボールを持っての仕掛けであったり、中に入るなど流動的にと言われていて、中でプレーした時はフォワードの近くでボールを受けたり、フォワードとの関係を言われていました」

 三戸がもっとも「らしさ」を見せたのは、得点に関わった69分だ。細谷真生が決めた、この日の2点目につながったシーンである。

 68分、それまでインサイドでプレーしていた荒木が交代し、佐藤が左ウイングに入った。川崎がアメリカのスローインを右サイドでカットし、三戸につなぐ。三戸はそのまま一気にドリブルでペナルティエリアに侵入し、右足シュート。これが相手DFにあたり、GKが中途半端に防ぎ損ねたところに細谷が詰めて、無人になったゴールに流し込んだ。

「前にスペースがあったので、決めきれればよかったんですけど。得点につながってよかったと思います」

 三戸は安堵の表情を見せた。

 試合の数日前、三戸はこんなことを明かしていた。

「もちろん、与えられたところはどこでもプレーしますけど、できることならインサイドか左でプレーしたい」

 スパルタでは右でプレーするが、まだ三戸にとってのベストポジションとは言いがたいのだろう。この日も右ウイングでプレーした68分までは、納得のいくプレーではなかったようだ。

「右サイドでは、うーん......、あんまり最後の質ってところが落ちる部分もあった。そこでひとつアシストだったり、できればよかったと思うんですけど」

 斉藤が左でプレーしていた前半は、左からの攻撃はいくつも見られた。だが、右からは決定機にまで至らなかった。一方、インサイドでプレーしたことに関しては、また違う自己評価だ。

「インサイドになってから、自由に動けるようになった。自分のストロングを出せるシーンも多かったかなと思います」

 アシストのシーンを含め、短い時間ではあったが手応えを得たようだった。

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