岩渕真奈がパリ五輪に挑むなでしこジャパンを考察「キーマンは?」「期待する選手は?」
web Sportiva×BAILA special collaboration
feat. 岩渕真奈(元なでしこジャパン)後編
女性向けメディア『BAILA』とのコラボ企画の後編(@BAILAでも異なる内容のインタビュー記事を配信)。女性誌で活躍中のヘア&メイクアップアーティスト、スタイリスト、カメラマンが撮影を担当した。
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さまざまなポーズにチャレンジしてくれた岩渕さん photo by Sannomiya Motofumi(TRIVAL)この記事に関連する写真を見る 昨年までともに戦ってきた仲間が、パリ五輪の出場権を獲得した。そのとき、岩渕真奈は彼女たちをあと押しすべく、解説者として国立競技場にいた。
岩渕自身は、銀メダルを獲得したロンドン五輪、そして出場権を逃したリオデジャネイロ五輪のあと、自国開催の東京五輪と2度、この大舞台に立ってきた。今回は、送り出す立場となった彼女の目に、現在の"なでしこジャパン"はどう映っているのだろうか――。
――リオデジャネイロ五輪の出場を逃し、アジア予選を勝ち抜いて五輪切符を手にしたのは、ロンドン五輪以来。最後はホームの国立競技場で出場権を獲得し、リオの予選を戦っていた当時の面々からは「ホッとした」という声を耳にすることがありました。岩渕さんは今回の予選突破を見て、どう感じましたか。
岩渕真奈(以下、岩渕)個人的には、(リオの予選を戦った)当時の人たち――私もそのひとりではありますが、責任を感じることはないと思っているんです。確かにリオに行けなかったことで、なでしこジャパンの人気は落ちたかもしれないけど、その後、しっかり勝てるチームになっていたら、何の問題もなかったわけですから。
また、自分自身は2011年のワールドカップで優勝したときもそうですが、オリンピックの予選敗退とか、現役時代はいろいろなものを背負いすぎて苦しかったので、今の選手たちはそうしたことは気にしなくていいんじゃないかって思っています。「女子サッカーのために......」って、若い選手が言っているのを聞いたりすると、もちろんそれは大事なことなんですけど、「そこまで背負う必要はないよ」って思う。
自分が楽しんでプレーしている姿を見せることこそが、絶対に女子サッカーの発展につながるし、いろいろと(責任を)背負うことを一番に持ってくる必要はないんじゃないかな、と。自分が引退して、それらを下ろすことができて(気持ちが)ラクになれたからこそ、なおさらそう思います。
――岩渕さんがそういうことを若い世代に伝えられる機会があるといいですね。
岩渕 私から伝えるまでもなく、世代が変われば自然と変化していくと思いますよ。
――パリ五輪において、岩渕さんがキーマンになると思う選手は誰でしょうか。
岩渕 田中美南を挙げたいですね。やっぱり点を取らないと勝てないですから。オリンピックともなれば、チャンスはそう多くはないから、その少ないチャンスをゴールに一番近い人がどれだけ決められるか。そこに、かかってくると思うので。
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