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宮本恒靖JFA新会長「激減した日本代表の地上波放送」をどうする? 「工夫を凝らし、適正な価格で」 (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【選手を海外へ出したらクラブが潤う仕組みを】

 新たな成長モデルの構築は、宮本会長が掲げる政策のひとつだ。日本代表の試合をはじめとするコンテンツの価値をさらに高め、収入増につなげていく。さらにはパートナー企業と協力して新たな価値を生み出し、社会課題の解決にもつなげたいとの構想を描く。

「先日、能登半島地震の被災地を訪れました。人工芝のグラウンドがあったところに、今は仮設住宅が建っていますが、その(仮設住宅がある)期間、ピッチを使っていた子どもたちや中高生、シニアのみなさんは、サッカーをする場所を失っています。復興へ向けてグラウンドを再整備できるようになったら、パートナーさんとも話をしながら動いていきたいと考えています」

宮本恒靖JFA新会長が描く日本サッカーの未来像とは? photo by Sano Miki宮本恒靖JFA新会長が描く日本サッカーの未来像とは? photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る 47都道府県(FA)のサッカー協会関係者が集まった会議では、「困ったときはお互いに支えていきましょう」と呼びかけた。すると、翌日にまとまった募金が届いたという。

「我々は『サッカーファミリー』という言葉を使いますが、いつも考えているのはみなさんのハブになる、みなさんが動くきっかけになる『動くフックを作る』ということです」

 宮本会長が掲げる「国内コンペティション・リーグを強化する」との政策も、JFAだけで成し得るものではない。有望なタレントを海外へ送り出しつつ、国内リーグのレベルを上げていくには、Jリーグとの連携が不可欠だ。

「強化につながるものとしては、ポストユースと呼ばれる世代、18歳や19歳の選手をいかに鍛えるのか。試合出場の機会が大事なのは、言うまでもありません。ヨーロッパではもっと早く、16歳や17歳でプロの試合に出ている選手もいます。

 Jリーグも若くしてプレーする選手が増えている状況を踏まえて、選手を海外へ送り出したら相応のお金がクラブに入る仕組みを整えつつあります。JFAとJリーグが両輪となり、Jリーグを含めた国内のリーグや大会を盛り上げることが、日本代表の強化にもつながっていきます」

 Jリーグのクラブがアジアのコンペティションで結果を残し、日本代表がアジアはもちろんワールドカップで存在感を発揮することは、日本サッカーの国際的なプレゼンスの向上につながる。

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