日本代表招集メンバーからすけて見える森保監督の胸中 過去の成功体験にすがるしかないのか
2026年W杯アジア2次予選北朝鮮戦(22日=ホーム、26日=アウェー)に臨むメンバー26人が以下のように発表された。
GK
前川黛也(ヴィッセル神戸)、大迫敬介(サンフレッチェ広島)、鈴木彩艶(シント・トロイデン)
DF
長友佑都(FC東京)、谷口彰悟(アル・ラーヤン)、板倉滉(ボルシアMG)、渡辺剛(ゲント)、町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)、毎熊晟矢(セレッソ大阪)、伊藤洋輝(シュツットガルト)、橋岡大樹(ルートン)、菅原由勢(AZ)
MF/FW
遠藤航(リバプール)、浅野拓磨(ボーフム)、南野拓実(モナコ)、守田英正(スポルティング)、相馬勇紀(カーザ・ピア)、小川航基(NEC)、前田大然(セルティック)、堂安律(フライブルク)、上田綺世(フェイエノールト)、田中碧(デュッセルドルフ)、川村拓夢(サンフレッチェ広島)、中村敬斗(スタッド・ランス)、佐野海舟(鹿島アントラーズ)、久保建英(レアル・ソシエダ)
アジアカップに出場したメンバーから漏れたのは、野澤大志ブランドン(FC東京)、中山雄太(ハダースフィールド)、冨安健洋(アーセナル)、伊東純也(スタッド・ランス)、三笘薫(ブライトン)、旗手怜央(セルティック)、細谷真大(柏レイソル)で、代わって大迫、長友、橋岡、相馬、小川、田中、川村が加わった。
アジアカップに大本命の立場で臨みながら、まさかのベスト8に終わった森保ジャパン。代表監督の解任騒動に発展してもおかしくない不出来だった。生温い環境に救われたという自覚が森保一監督にどこまであるか定かではないが、このメンバー選考を見ると、その穏やかではない胸の内をうかがい知ることができる。
カタールW杯以来1年3カ月ぶりの代表復帰となった長友佑都photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る 長友は37歳だ。いくらJリーグでいいパフォーマンスを見せているとはいえ、たとえば現在、佳境を迎えている欧州カップ戦で通じるレベルにはない。このまま2026年W杯本大会のメンバーに選ばれれば、それは日本サッカーの後退を露呈させたも同然である。不安に駆られる心の拠りどころを長友に求めたのか。森保監督は過去の成功体験にすがろうとしているかに見える。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。