森保一監督が「正直、楽しいと思ったことは一度もない」と明かした真意 2023年は「継続するメリットを示さないといけない1年だった」 (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

憲剛 僕らもやりましたけど、同じことを言っていましたね。みんな、ありがとうって。

森保 「お前、いい子ちゃんぶるなよ」って言われるかもしれないですけど、やっぱりサッカーを通じて、地域貢献、社会貢献をしたいと思っていて。それが今の活動の意義だと思っているので。

 広島の時は、広島のみなさんに喜んでもらえるように。今は全国のみなさんに喜んでもらえるように。規模は違いますけど、想いは同じなんですよね。

憲剛 実際に今の日本代表の活躍に、みんな元気をもらっていると思いますし、間違いなくみんなの見る目が変わった1年だったと僕は思っていて。

寿人 それがカタールでの結果と、その後の1年間の躍進がそういう空気を生み出していますよね。

憲剛 世界的にも日本に対する見方が変わっていると思いますし、また2024年はアジアカップがあるので、その結果次第でさらにそうなるかもしれない。

森保 アジアカップは一戦一戦を大事にしながら戦っていくだけです。高い目標を持つのも必要ですが、目の前の一戦をどれだけ全力で戦えるかっていうことが一番重要になってくると思うので。

 これは2次予選のミャンマー戦やシリア戦でも感じたことですが、選手たちはピッチ上で対戦相手とだけ戦っているんじゃなくて、目標としているものに向かって戦っている。そういうものがすごく伝わってきていますし、アジアカップでも同じようにやっていきたいですね。

憲剛 アジアカップは楽しみですね。ヨーロッパのシーズン中でもありますし、コンディションも含めてけっこう大変な大会になるとは思うんですけど。

寿人 構成は難しいですよね。そこはポイチさんもそうですし、協会の力も重要になってきますよね。

憲剛 それくらい各チームで重要な選手が増えてきますもんね。抜けられたら困る選手が増えたのは、うれしい悩みでもありますよね。

森保 そこがこの4年間ですごく変わったところでもあるんですよね。確かなデータはないですけど、以前は日本代表の活動があってヨーロッパに戻ったら、1、2試合出られないということはけっこうあったと思います。

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