インスタグラムのフォロワーが90万 なぜ母国で大人気の女子サッカー選手はWEリーグへ来たのか (2ページ目)
【男子チームのなかの女子選手として活躍】
インドネシアはサッカーが人気ナンバーワンスポーツで、歴史も古い。日本代表も1970年代まではインドネシア代表に勝つことができなかったほどだ。初めて来日したインドネシア人選手は、1988年に松下電器(現在のガンバ大阪)でプレーしたリッキー・ヤコビで、現在では東京ヴェルディのプラタマ・アルハンが日本における2シーズン目を過ごしている。そんな人気スポーツでさえも、女性となると、継続してプレーできる環境はほとんどないのが現状だ。
サッカーを始めてから来日までの経緯を語るザーラ・ムズダリファこの記事に関連する写真を見る「サッカーを始めたのは7歳。私はアクティブで黙っていられない、動くのが大好きな子だったので、父が友だちとフットサルをやるのに一緒についていったのがきっかけです。そこで初めて父がボールを蹴っている姿を見て、マネしてやってみたら好きになりました。誰にコーチングしてもらうわけではなく、壁に向かってボールを蹴ったり、リフティングしたり。
10歳の時に父が、私がうまくなっているのを見て、才能があるからサッカーアカデミーに入ってみない? と勧めてくれたんです。女子のアカデミーはないから、男子のアカデミーに入りました。女子がサッカーをするのは一般的なことじゃないので、女なのに何でサッカーやっているのか、ってちょっとネガティブな目線で見られたりもしました。
最初はひとりぼっちで友だちもできず、それでも親からは、周りは気にせず頑張ってうまくなりなさいって言ってもらいました。その後いくつかの国際大会に出てすべて優勝して、ゴールも決めて、やはり男子チームに一人だけ女子というのは目立つからインタビューを受けて、メディアに出始めることになりました。
他の国では、女子選手の参加は当たり前になってきていましたけど、インドネシアでは状況が違うので、大ニュースになっていましたね。サッカーは男性だけではなく女性にもできるよ、という印象を与えることになったと思います。それらの大会に出たのが12歳の頃です」
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