吉田麻也「うーーーーん」10秒沈黙...新生・森保ジャパンのメンバーから外れた心境について、絞り出した答えとは? (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

【こちらの忖度はあっさり却下】

 ワールドカップまでの4年間をひとサイクル。まだまだ無理して代表入りをアピールする時期でもない。特に今回は親善試合にすぎないし、吉田は4年間のサイクルを何度も経験して知り尽くしている。

 一方で所属するシャルケは、2部降格圏を脱することができずにシーズン終盤を迎えようとしている。日本と往復して体力と時間を奪われるより、ドイツやヨーロッパでのんびりと過ごし、英気を養うほうがよさそうでもある。

 ......と、森保監督が考えた可能性はないだろうか。

「(そういう)配慮じゃないだろうね(笑)。だって、俺らより下のチームのやつも選ばれてるし、ボーフム(浅野拓磨)だってシュツットガルト(遠藤航、伊藤洋輝)だって選ばれてるわけで」

 そんな忖度めいた質問は、あっさり否定された。そして続ける。

「だからまぁ、もちろん新しいチームで4年後を見据えてどうやって戦っていくかっていうなかで、監督はいろんなことを決断しなきゃいけないので。だから今は、別にこれがどうなるか決める必要はないし、まだ3月の段階なので僕としても行かないは行かないで、もう、悪いことではない。

 おっしゃるようにシャルケでやるべきことはあるし、フレンドリーマッチは(ベテラン選手にとっては)絶対に行って絶対に2試合とも出なきゃいけないという試合でもないわけで、監督も、僕やほかのベテランの選手がどれくらいやれるかはわかっている。新しい選手を見るべきだと思いますよ」

 若手は若手で、今回外れたベテランたちとの競争がなくなったわけではないことは自覚している。

 たとえば、オランダのAZでプレーする菅原由勢。彼はワールドカップ前に2度招集されたものの、カタール本大会には縁がなく、今回は呼ばれた。吉田とは違い、彼にとって今回のメンバーに入ったことは大きな意味を持つ。

 これからの4年間でどのように存在感を発揮し、定着していくか。一斉に揃えたスタートラインに立てたことは大きい。

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