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中村憲剛&佐藤寿人、新生・日本代表を考える。「森保さん続投なら、戦い方の幅を広げていく作業に入るフェーズになる」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 もちろん、今回の代表選手たちの多くはヨーロッパで日常を過ごしているので、たくましく闘っているなと思いました。その日常を、代表活動でもどれだけ作ることができるか。だからチームだけの問題ではなくて、AFC、日本サッカー協会も含め、いろんな部分を改革していかないとダメだと思います。

憲剛 深い話になってきたな。

寿人 現場サイドで話をしたところで、その日常がなければ、何も変わらないですよ。もっと大きな物事を動かしていけるような組織になっていかないと。

 ヨーロッパは今、ネーションズリーグでずっと強度の高い試合をやっていますけど、彼らであっても大陸間のマッチメイクがないから、今回、南米やアフリカ勢に苦戦していましたよね。ワールドカップで結果を出すことを考えれば、「大陸間のマッチメイク」は絶対に必要なんです。ヨーロッパ勢の戦いを見ても、いろんな相手とやらないといけないと感じましたね。

憲剛 でも、今回アジア勢が3カ国(日本、韓国、オーストラリア)ベスト16に残ったわけで、これはどう?

寿人 ただ、ベスト16には残りましたけど、ベスト8にはひとつも残っていない。その差はかなり大きいと思いますよ。

憲剛 たしかに、ベスト8からはまた別世界だったな。

寿人 ラウンド16の戦いは、90分間のなかで勝者・敗者の力関係が色濃く出ていましたよね。でも、ベスト8以降は本当にどっちが勝ってもおかしくない試合ばかりでしたから。

憲剛 今回の決勝はNHKのスタジオでゴンちゃん(権田修一)と一緒に見たけど、「あのクロアチア戦のあとにブラジルとアルゼンチンに勝って、決勝でこの強度でやれる?」って聞いたら、「正直、考えられないです」と。

寿人 ましてやフランスは体調不良者が多く出て、満足に練習もできていませんでしたからね。

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