中村憲剛&佐藤寿人、新生・日本代表を考える。「森保さん続投なら、戦い方の幅を広げていく作業に入るフェーズになる」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

憲剛 ドイツ、スペインと同じグループになった時に、1位抜けを予想した人はほとんど誰もいなかったと思います。このワールドカップという舞台で、親善試合では体感できない本気のドイツとスペインを相手に、一度ではなく二度も逆転勝ちをしたことは、やっぱり本当にすごいことだと思います。しかもスペイン戦に関しては、うまく術中にハメた感もありました。

 ただ、その勝ち方で日本がその先、継続的に進めるかどうか。次の監督が誰になるかという話もありますけど(12月28日に続投が正式決定)、森保さんが続投するとなれば、戦い方の幅を広げていく作業に入るフェーズになると思います。

 でも、また次のワールドカップまで「本気の世界」と戦えないわけで、それが本当に悩ましいところ。本気のエムバペを4枚で抑えられるような組織を作っていくことは、アジアの環境では難しいと思います。

寿人 森保さん自身は、すばらしい仕事をしたと思います。勝つ可能性を1パーセントでも上げるという作業を徹底して、実際に勝てないと思っていた相手に勝つことができましたから。

 やっぱり、ワールドカップでは結果がすべてなんですよ。どんなにいいアプローチをしても、結果が出なければ評価されるべきではないと思うので、結果を出した森保さんは称賛されるべきだと思います。

 ただ、憲剛くんも言ったように、今回の評価と今後のことについては、また違った議論になっていかないといけない。というか、森保さんどうこうではなく、世界で勝つためには、もっと大局的なところを変えていかなければいけないと思いますよ。

── と、いうと?

寿人 やっぱり、アジアで強度の低い戦いを続けているだけでは、世界には到底追いつけないですよ。そこの環境を変えていかなければいけないと思います。これはもう日本だけではどうこうなる話はないので、AFC(アジアサッカー連盟)を含め、アジア全体で考えなければいけないことだと思います。

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