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「遠藤航が"動きすぎている"」。スペインの名指導者が見抜いた日本代表の弱点 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

最も危険なスペースを留守にしていた

 両チームが、戦術、技術、体力と高いレベルで競い合った前半と言える」

 エチャリはそう言って日本に及第点を与えた。では、なぜ森保ジャパンは後半に3点も放り込まれたのか。

「日本は後半も、決して悪い立ち上がりではなかった。この日、最も活発だった右サイドで、伊東が再びチャンスを作りかけていた。

 しかし、前半から気になる点があった。

 このリポートでは指摘し続けてきたことだが、遠藤航のプレーに安定感がないのである。

 遠藤は局面での勝負に強迫観念があるのか、あまりにも前に行きすぎたり、サイドに釣り出されたりすることで、"センターバックの前"という最も危険なスペースを"留守"にしていた。それをチュニジア陣営に研究されていて、ユセフ・ムサクニなどにつけ狙われた。遠藤の負けん気の強さは買えるが、無理したパスも目立ち、それを奪われてのカウンターも受けている。

 後半10分、左サイド伊藤洋輝が入れ替わられ、吉田麻也が後手に回って後ろから慌てて倒し、PKを献上して先制点を奪われた。

 この失点自体は、個人的なミスと言えるだろう。チュニジアのFWタハ・ヤシン・ケニシのダイアゴナルランとファウルの誘い方をほめるべきだ。ドラマチックにすべきではない。

 個人的には、その後も遠藤のプレーのほうが気になった。

 誤解してほしくはないのは、遠藤は偉大なMFと言えることだ。ずっとプレーを称賛してきた。代表に欠かせない選手と言える。

 ただ、最近は"動きすぎている"。いるべきポジションにいながら、必要な場合は自分ではなく、周りを動かし、チーム全体を好転させるべきだろう。彼がいるべき場所からいなくなって、それを狙われている。途中出場のハンニバル・メイブリにも、その指示が与えられていたのではないか。私が指摘してきたように、チュニジア代表の指揮官も日本の弱点を見抜いたのだ」

 エチャリはカタールW杯に向け、あえて苦言を呈している。そして総括としてこう続けた。

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