日本代表の連戦のカギは中国戦にあり。急増CBコンビの間隔が成否を分ける

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 本日1月27日(中国戦)と2月1日(サウジアラビア戦)に行なわれるカタールW杯アジア最終予選は、現在グループ5位(中国)と1位(サウジアラビア)との対戦となる。常識的に考えれば難敵はサウジアラビアだ。今回の予選のハイライトゲームと言っても過言ではない。

 しかし、これまで日本で戦うサウジアラビアに好印象を抱いたことはない。強いと感じたこともない。サウジアラビアとの通算成績は14戦して日本の8勝1分5敗だ。しかし、日本で行なわれたホーム戦に限れば日本の5戦全勝。サウジアラビアが日本とのアウェー戦を苦手としていることが、この数字から一目瞭然になる。ちなみに、日本もサウジアラビアホームでは3戦全敗。ホーム戦とアウェー戦の結果が、これほどハッキリしている関係も珍しい。

 過去の対戦成績に従えば、今度は日本が勝つ番である。日本で戦うサウジアラビアはなぜか気怠そうにプレーする。元気、覇気を感じない。理由としてまず考えられるのは気候だ。日本とサウジアラビア両国の気温差になるが、サウジアラビアにとってそれ以上に辛いのは時差だと見る。

 時差の影響は、サウジアラビアで戦う日本より、日本で戦うサウジアラビアのほうが受けやすい。日本から欧州へ行った場合と欧州から日本に戻ってきた場合、辛いのはどっちと言われたら、多くの人は後者と答えるはずである。アメリカの場合なら、行った時のほうが、帰国した時よりしんどい。地球の自転方向に、そのスピードを追い越すような移動は、時間を逆戻りするような、自転方向に逆らう移動より、身体にこたえるのだ。

 それに気温差がダメを押すという感じだろう。時差ボケと寒さ。それに今回はオミクロン株の心労も加わる。日本の優位は堅い。ホームの恩恵に最大限、浴する戦いになるはずだ。

 心配なのはむしろ初戦、中国戦のほうだ。過去の対戦成績は12勝8分9敗と競っているが、日本がアジアの上位国になり始めた1990年以降は10勝6分2敗と、サウジアラビア戦とは比較にならないほど、優位な関係にある。だが、内容に目を凝らせば、その10勝のうち日本が2点差をつけて勝った試合は3試合。7試合が1点差だ。さらに、2010年以降に限れば6戦して2勝4分と、その差は縮まる。

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