ロシアW杯は直前の監督交代が奏功。あの時、なぜハリル解任を強硬に主張したのか (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

 そのガーナ戦を、西野監督は5バックになりやすい守備的な3バック(3-4-2-1)で戦った。「代表チームは長い間3バックで戦ってこなかったから、1度試しておこうと」とは西野監督の弁である。攻撃的サッカーのコンセプトが完全に崩壊した瞬間だった。ハリルホジッチのサッカーはとても攻撃的とは言えなかったが、少なくとも探した側(サッカー協会)が追求した路線は攻撃的サッカーだったはずだ。

 西野監督はそうではなかった。よく言えば、こだわりがない監督だった。3バックという守備的サッカーで臨む理由が「代表で長い間、戦ってこなかったから」であるところに、こだわりのなさが表れている。ところがロシアW杯本番では、これまで代表チームで見たことがないきれいな4-2-3-1で4試合を戦っている。ベスト16入りの陰に攻撃的サッカーあり。そう言いたくなるサッカーを西野ジャパンは披露した。

 結果オーライの産物と言ったら叱られるだろうか。好成績と不成績が紙一重の関係にあることを証明した4年間だった。

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