森保ジャパン、采配的中の裏に潜むミス。そもそもなぜ悪い流れが生まれたのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 前半は、MF伊東純也のいる日本の右サイドだけを抑えればいい、といった様子だったオマーンも、これで日本の左サイドにも意識を向けざるを得なくなった。「今日初めてやったが、サイドから崩すのが得意なプレーヤーが両サイドにいると、相手も嫌かなと思う」とは伊東の弁だ。

 結果的に、オマーン守備陣が三笘の左からのクロスに対し、右から入ってきた伊東を捕まえられずに失点したのは、必然の流れだった。

 そこでは派手に目立つ三笘の存在に目を奪われがちだが、後半62分から左サイドバックに投入されたDF中山雄太の働きも出色だった。

 的確なポジショニングでセカンドボールを回収することで、単発で終わりがちだった日本の攻撃に厚みを加えていた。伊東の決勝ゴールにしても、一度は三笘が失ったボールを中山がすぐに奪い返したところから生まれている。

 従来の序列を覆し、ピッチに立った選手たちが最終予選の悪い流れを変えていることは、オーストラリア戦に続き、明らかだ。

 有り体に言えば、森保一監督の采配的中、である。

 この試合がA代表デビュー戦だった三笘が、いきなりの大一番でこれだけの仕事ができたのは、東京五輪に出場したU-24代表も含め、「1チーム2カテゴリー」での強化を進めてきた成果とも言えるだろう。

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