日本代表のサイドバックは誰が良いのか。中山雄太、山根視来が存在感を高めている理由
長友佑都(FC東京)が日本代表にデビューしたのは、2008年5月24日のこと。当時、プロ入りしたばかりの21歳は、豊田スタジアムで行なわれたコートジボワール戦で左サイドバックとしてスタメン出場を果たした。
以来、長友は日本代表のこのポジションを13年に渡って守り続けている。これまでに酒井高徳(ヴィッセル神戸)や、現体制では佐々木翔(サンフレッチェ広島)、安西幸輝(鹿島アントラーズ)らがポジション争いに挑んだものの、公称身長170cmの"小さな巨人"の牙城を崩せないでいる。
左サイドバックで存在感を高める中山雄太この記事に関連する写真を見る すでに35歳。強靭なフィジカルを武器に世界と渡り合ってきた日本サッカー史上最高の左サイドバックは、今なおこのポジションのトップランナーとして走り続けている。
代表キャップ数は歴代2位の131試合を数え、その経験値の高さはほかの追随を許さない。アジア最終予選に入ってもスタメンとしてピッチに立ち続けているのは、想像を絶するような自己管理と自己研磨の賜物だろう。
現役でありながらレジェンドの域に達する長友が今、批判を浴びている。
「終わった選手」「穴になっている」「交代カードが1枚もったいない」
心ない批判を受けるのは代表選手の宿命だが、日本サッカーの歴史を紡いできた鉄人に対して、あまりにもリスペクトを欠く。
イメージを悪くしたのはオーストラリア戦だった。サイドの高い位置を取り、背後のスペースを突かれ、失点につながるFKのきっかけを与えたシーンだ。もちろん、チームとしての守り方の問題もあったが、長友のポジショニングの悪さがクローズアップされた。
続くベトナム戦、そして今回のオマーン戦では攻撃面を指摘されている。たしかにこの2試合では攻められるシーンはほとんどなかった一方で、活発だった右サイドに比べ、長友と南野拓実(リバプール)が形成する左サイドは連動性を欠き、停滞感が漂ったことは否定できない。
オマーン戦では23分に、鋭い縦への持ち出しから伊東純也(ゲンク)の決定機を演出したように、左からもチャンスがなかったわけではないが、それも単発にすぎなかった。
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