2021.09.05

中澤佑二が語る日本代表。「フロンターレとマリノスの中からもっと選ばれてもいい」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by ロイター/アフロ

 来年のカタールW杯に向けて、アジア最終予選がスタートした。

 その初戦オマーンに0-1で敗れ、ロシアW杯最終予選同様、黒星スタートになった日本代表。改めて最終予選の厳しさが感じられたが、来年3月まで続くW杯最終予選とはどういう戦いなのだろうか。

 ドイツW杯、南アフリカW杯で2つの最終予選を経験した元サッカー日本代表、中澤佑二さんは、こう語る。

ドイツW杯でキャプテンを務めた中澤佑二さんの目に、今の日本代表、Jリーグはどう映る?ドイツW杯でキャプテンを務めた中澤佑二さんの目に、今の日本代表、Jリーグはどう映る? この記事に関連する写真を見る 「1次、2次予選とはまったくレベルの違う相手との戦いになります。どうやって勝ち抜いていかないといけないのか。チームとしても個人としても考えていかないといけない。不安や危機感が自然と高まりますね」

 ドイツW杯の最終予選の時のチームは、2002年日韓W杯でベスト16に進出し、その主力メンバーの多くが残っていたので期待値も注目度も非常に高かった。最終予選はホーム&アウェーになり、ホームは当然有利なのだが、時として思わぬ風が吹いてきたという。

「ホームは、サポーターの代表に対する期待感がすごくて、たとえば前半が0-0でも優しいんですけど、後半もその状態が続くと声がどんどん厳しくなっていくんです。こんな内容でいいのか。こんなんでW杯で勝てるのか。もっといいサッカーしろよ、みたいな声が飛んでくる。それで1-0で勝っても満足せず、3-0、4-0で勝たないといけないみたいな空気になるんです。正直、アウェーのほうが意外とリラックスして試合ができたりしましたね(笑)」

 ホームでサポーターにプレッシャーをかけられるのは、選手は相当やりにくかっただろう。だが、そういう緊張感が逆にチームを育てていくことにもつながる。中澤さんは、ドイツW杯の最終予選では、「これぞアウェー」という試合も経験している。

「アウェー感は、レフリングで感じたことはありますけど、空気感として感じたのはイラン戦ですね。確かスタジアムに入れるのが男性だけで、10万人ぐらい全員男で声援の迫力がすごかった。しかもイラン自体がすごく強くて、アジアでもひとつ抜けている国だったので、非常に戦いづらかったのを覚えています」

 イランには敗れたが、日本は中立国となるタイで無観客開催された北朝鮮戦に勝ち、フランスW杯最終予選に続いて2度目の予選突破を果たした。

 4年後の南アフリカW杯最終予選は、中澤さんにとって2度目の最終予選になった。キャプテンとなり、チームをまとめていく重責を担った。ただ、中澤さんは、自分がチームを引っ張るという意識は、それほど強くはなかったという。