W杯最終予選のベストゴールと言えばコレ! 識者3人が衝撃を受けたトップ3

  • photo by Katsuro Okazawa/AFLO

カタールW杯アジア最終予選特集

W杯アジア最終予選においては、今なお脳裏に刻まれている試合もあれば、強く印象に残っているゴールもたくさんある。なかでも、衝撃的な一発と言えるのはどのゴールか。識者3人に「トップ3」を挙げてもらった――。

フランスW杯最終予選、ホームの韓国戦で「伝説のループシュート」を決めた山口素弘フランスW杯最終予選、ホームの韓国戦で「伝説のループシュート」を決めた山口素弘この記事に関連する写真を見る浅田真樹氏(スポーツライター)

1位=山口素弘の先制ゴール/日本1-2韓国
1998年フランスW杯最終予選(1997年9月28日/日本)

 最終予選のゴールといえば、コレ!と言ってもいいくらいインパクトが強い。

 満員の国立競技場で相手は韓国。内容的にも日本が優勢ながら、でもなかなか得点はとれずに試合は進み......という期待と不安が入り混じった何とも言えない雰囲気のなかで生まれた先制点は、相手の戦意を削ぐような絶妙のループシュート。しかも決めたのが、ボランチの山口素弘というのもドラマチックだった。

 結果的に日本は韓国に逆転負けを喫し、このゴールを境に負の連鎖に陥っていくのだが、その波乱に満ちたストーリーの転換点としても忘れられないゴールである。


2位=中山雅史の追撃ゴール/日本1-2イラン
1994年アメリカW杯最終予選(1993年10月18日/カタール)

 中山雅史がゴールラインを割りそうなボールをスライディングで必死にマイボールにし、破れかぶれで打ったシュートが、たまたま相手GKの意表を突き、ニアサイドをすり抜けた。それが、このゴールの真相だろう。

 決してカッコいいゴールではなかったし、結果的に試合は1-2で敗れており、0-2から一矢報いたにすぎないゴールではある。

 しかしその後、「ドーハの悲劇」に至る展開を考えると、最終予選全体の流れを変えたという意味で、この中山のゴールは非常に価値あるものだった。ひいては4年後、中山が救世主となり、日本がワールドカップ初出場を遂げることを考えると、なお一層印象深い。


3位=小笠原満男の決勝ゴール/日本1-0バーレーン
2006年ドイツW杯最終予選(2005年6月3日/バーレーン)

 直前のキリンカップ2試合で連敗し、不安とともに迎えたアウェーゲーム。ジーコは突如、前線の配置を従来の「2トップ+トップ下」から「1トップ+2シャドー」に変更。柳沢敦の下に、中村俊輔と小笠原満男を並べる奇策に出た。

 急造の前線は必ずしも連係がよかったわけではないが、柳沢のポストプレーから中田英寿→中村→小笠原とつないだボールを、最後は小笠原がミドルシュートでゴールネットに突き刺した。

 シュートそのものが鮮やかだったこともあるが、苦戦しながらも個人能力の違いで相手をねじ伏せてしまうあたりに、日本がアジアの中では抜けた存在になっていることを実感させてくれるゴールだった。

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