消極的だった森保一監督の選手起用。「目標は金メダル」にふさわしい采配だったのか (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 一戦一戦、目の前の試合に全力でぶつかり、その果てに金メダルを手にするなど、ブラジルのような横綱でなければできないことだ。そちらのほうが、よほど難易度は高い。

 目の前の試合だけで言えば、敗戦のリスクが多少高まる選手起用だったとしても、それを(運の助けも借りながら)乗り越えた先にしか、金メダル獲得はなかったのではないだろうか。

 冒頭にも記したように、そもそもの実力を考えれば、日本のベスト4は妥当な結果どころか、大健闘だったと言ってもいい。

 だが、「金メダル獲得」という目標を掲げたのは、地元開催の東京五輪ではやり方次第で、そのチャンスがあると考えたからではないのか。

 指揮官は本気で金メダルを獲ろうとしていたのか。大会が終わった今、そんな疑問が浮かんでいる。

(つづく)

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