オーバーエイジ活用の難しさ。「史上最強」であることがマイナスに作用したのか?
東京五輪徹底検証
U-24日本代表「敗戦」の原因(2)
地元開催の東京五輪に挑むとあって、過去の五輪と比較すると、今回のU-24日本代表にはかなり手厚い強化策が施されてきたことは間違いない。
今年に入っても、新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界中のアスリートが活動に苦労するなか、3月にはアルゼンチンと、6月にはガーナ、ジャマイカとの強化試合を組んで国内キャンプを実施。そうした一連の強化策の最終仕上げが、"史上最強"のオーバーエイジ(OA)をそろえることだった。
過去のOAを振り返ると、所属クラブとの交渉が難航し、監督が希望する選手を招集できないことも多かった。だが、今回は吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航とA代表の主力を、しかも、すべて五輪経験者の3人をそろえた。
大きな戦力アップとなったことはもちろん、有形無形を問わず、彼らがチームにもたらした影響は計り知れない。
しかしながら、その一方で、過去に例がないほどの"大物OA"は、その存在があまりにも特別なものになってしまったのではないか。メダルなしの結果に終わった今となっては、そんな印象も残っている。
遠藤航(写真中央)をはじめ、3人のオーバーエイジは「史上最強」と呼ばれるに相応しい働きを見せたが...この記事に関連する写真を見る「リオの時と比べると、U-24の中にA代表でプレーしている選手も多い。OAも問題なく、U-24に加われるのではないか」
6月に初めてチームに合流したとき、そう話していたのは遠藤である。
確かに、OAの3人は問題なくチームに融合した。コンビネーションという意味では大きな問題はなかった。
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