消極的だった森保一監督の選手起用。「目標は金メダル」にふさわしい采配だったのか

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

東京五輪徹底検証
U-24日本代表「敗戦」の原因(1)

 金メダル獲得を目標に掲げ、東京五輪に臨んだU-24日本代表。だが、結果は金どころか、銅メダルも手にできずに終わった。

 まず大前提として、単純な実力比較で言えば、日本は金メダル獲得に足るレベル、すなわち、出場全16カ国中最上位クラスにいたわけではない。贔屓目に見ても、真ん中あたり、といったところだろう。実際、過去の五輪を振り返っても、「グループリーグ突破(=ベスト8)」が現実的な目標だった。

 だが、そんな国がなぜ金メダルを目標に掲げることができたかと言えば、一にも二にも地元開催だったからだ。ホームアドバンテージを味方につけ、心身両面のコンディションで上回ることによって、上位との実力差を埋める。そのうえでの「目標は金メダル」だった。

 数字で表せば、本来的には100の力を持つスペインやブラジルが、大会が進むなかで80まで力を落とすとしたら、本来的には80の力しかない日本でも、その80を維持できれば勝負になる。そんなイメージだ。

 ところが、日本の選手たちの動きは、準々決勝のニュージーランド戦あたりからすでに重かった。続く準決勝のスペイン戦では、モチベーションの高さからいくらか持ち直したようにも見えたが、3位決定戦のメキシコ戦はもはや限界を迎えていた。決勝トーナメント以降、日本がコンディションで対戦相手を上回っているとは言い難い試合ばかりが続いていた。

準決勝のスペイン戦に敗れて、もはや体力の限界にあったU-24日本代表の面々準決勝のスペイン戦に敗れて、もはや体力の限界にあったU-24日本代表の面々この記事に関連する写真を見る

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