サッカー五輪男子はクジ運に恵まれた。組み合わせから見えるメダルへの道筋

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 東京五輪男子サッカーの組み合わせが決定した。

 結論から言えば、"金メダル獲得を目指す日本"にとっては悪くない組み合わせ。いや、理想的とさえ言ってもいいのではないだろうか。

メダル獲得を目指す五輪代表にとって、今大会は理想的な組み合わせと言えるメダル獲得を目指す五輪代表にとって、今大会は理想的な組み合わせと言える 開催国としてグループAに組み込まれた日本と同組になったのは、対戦順に南アフリカ、メキシコ、フランス。これだけを見れば、難敵が揃う厳しいグループである。

 だが、日本が狙っているのは、あくまでも金メダル。「目標はグループリーグ突破ではない」(森保一監督)のだ。

 色はともかく、まずはメダル獲得をひとつの目安とするならば、重要なポイントとなるのが準々決勝である。ベスト4まで進出できれば、メダル獲得の確率は4分の3。準々決勝を勝ち抜くことが、メダルへ大きく近づく一歩となる。

 だとすれば、むしろ注目すべきはグループBの顔ぶれ。なぜなら、日本がグループリーグを突破して準々決勝へ進出した時、そこで対戦するのがグループBを勝ち上がってきたチームになるからだ。

 それを考えれば、グループBはトップシードの韓国以下、ニュージーランド、ホンジュラス、ルーマニアと、4グループのなかでは最も力が落ちる構成となったのは幸いだった。

 しかも、グループBには突出して力のあるチームがいないため、日本はグルーブAを1位で通過する(準々決勝でグループBの2位と対戦する)か、2位で通過する(同1位と対戦する)かに、それほどこだわる必要もなくなった。グループ2位以内に入ることだけを考え、3試合のゲームプランを立てればいい。つまりは、必ずしも3カ国すべてに勝つ必要はないのだ。

 確かにメキシコ、フランスと同組になったのは厳しい組み合わせではあるが、見方を変えれば、これらの強敵と一発勝負の準々決勝で対戦するのを避けられたとも言える。これこそが今回の抽選結果における、日本にとっての最大の利点だろう。

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