2021.04.23

身長も期待も大きかったが…。日本代表に定着できなかった大型FW5人

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 センターフォワード、センターバック、ゴールキーパー。昔からサッカー界では、ゴールに近いエリアを仕事場にするプレーヤーの出来が勝敗を左右すると言われている。日本は長らく、このポジションを課題にしてきた。

"高さ"と"強さ"が欠かせないポジションの人材不足で、悔しさを味わったことは幾度もある。記憶に新しいところでは、2018年のロシアW杯の決勝トーナメント1回戦。日本代表はベルギーから2点のリードを奪ったものの、その後相手の高さに屈してしまった。

初めての代表戦でハットトリックを決めた平山相太だったが...初めての代表戦でハットトリックを決めた平山相太だったが...  日本サッカーが渇望する、自陣と敵陣での「ゴール前の高さ」。森保一監督が日本代表を率いてから守備の大型化は進み、189cmの吉田麻也に加え、GKに197cmのシュミット・ダニエル、CBに188cmの冨安健洋が台頭し、ようやく世界基準に達しつつある。

 一方、センターフォワードはといえば、ポストプレーの巧みな大迫勇也がいるものの、身長は182cm。日本人の平均からすれば大柄だが、世界基準から見れば決して「大型FW」とは言えない。

 190cmに迫るようなFWの台頭が待たれる日本サッカー。だが、過去を振り返ればデビュー当初に「期待の大型FW!」と騒がれた選手は少なくない。今回はそんな彼らの足跡をたどってみたい。

 日本サッカーの大きな転機のひとつに、1993年8月に日本で開催されたU−17世界選手権(現U−17W杯)がある。1985年に第1回大会が行なわれ、5大会目にして初めて本大会出場となった日本は、当時国見高を率いていた小嶺忠敏監督のもと、中田英寿、宮本恒靖、松田直樹、戸田和幸などが躍動した。

 そのチームで中心選手だったのが、194cmの船越優蔵である。高校1年から名門・国見高でレギュラーを張り、U−17日本代表では船越が競り勝ったボールに中田や財前宣之が詰めてゴールネットを揺らすパターンでベスト8まで勝ち進んだ。

 当時、日本サッカー協会の強化委員だった田嶋幸三(現・会長)は、船越に対して「2002年のW杯で日本の核になれるように成長してほしい」と期待をこめた。