森保ジャパンに刺激。レギュラーを突き上げたJリーグ組3人 (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

 鎌田は所属するフランクフルトで好調を維持し、攻撃面でチームの中心選手になっている。その鎌田の能力をどういう形で日本代表に加えるかに注目していたが、森保一監督は新たな並びで鎌田と南野を起用した。

 動き回ることで持ち味を発揮する南野にとって、左サイドはベストのポジションとは言えない。今回の2試合とも、南野の力がフルに発揮されたわけではなかった。

 2人を共存させるには、大迫が1トップにいるなかでは鎌田のトップ下、南野の左サイドが妥当なのかもしれないが、今後、この2選手が共存可能な形を生み出せるのかを含めて、注目していきたい。

 また今回目立っていたのは、ボランチに入った遠藤航(シュツットガルト)と守田英正(サンタ・クララ)だ。遠藤は昨年のヨーロッパ遠征でも圧倒的な存在感を示していたので驚きはなかったが、守田に関しては「ここまでやるのか」と目を見張るほどのパフォーマンスだった。

 相手との力関係があったにせよ、守田はボール奪取の能力だけではなく、前に出ていくプレーやつなぎの面で、もっと強い相手であっても通用するのではと思わせるプレーを見せた。

 守田はプロ1年目に評価を高めて日本代表入りもしたが、その後はクラブでの出場機会が減り、昨季も前半戦は川崎フロンターレのレギュラーではなかった。それが後半戦からアンカーのポジションで圧倒的な存在感を示し、年明けからポルトガルへ移籍。

 守田は現在25歳。サッカーでは決して若くはない年齢だが、守備的MFの選手は長谷部誠や遠藤航のケースを例に見ても、ある程度の年齢になってから海外リーグで飛躍的に成長することがある。ここから先、さらに成長した姿を見せてくれるのを期待している。

 今回の2試合で森保監督がいい仕事をしたと感じたのは、Jリーグで調子のいい選手を招集し、試合で起用した点だ。彼らがプレーでしっかりアピールしたことで、日本代表の選手層はさらに厚みを増していく可能性が生まれた。

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