期待裏切る結果も、三笘薫&旗手怜央の「川崎ライン」を見限るのは早計だ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

 A代表では、DF山根視来が代表デビュー戦にして初ゴールを記録。昨季まで川崎に在籍していたMF守田英正も、ボランチとして攻守に有効な働きを見せた。さらには、出場時間こそわずかだったが、MF脇坂泰斗も代表デビューを果たしている。

 だが、一方のU-24代表はというと、川崎自慢の攻撃力を司る左サイドのコンビが、残念ながら不発に終わったと言わざるをえない。

 この試合、4-2-3-1のフォーメーションを採った日本は、左サイドバックにMF旗手怜央、左サイドハーフにはMF三笘薫が起用された。いわば、川崎の左サイドをそのまま"移植"した形である。

「怜央と三笘は、クラブでもいい関係でプレーしている。そこのコンビネーションは期待していた」

 チームを率いる横内昭展監督は、起用の意図をそう語る。

 旗手はもともと、川崎でも昨季はそうだったが、前線や中盤のより攻撃的なポジションを本職とする選手である。このチームでも従来はそうしたポジションで起用されてきたが、「クラブで輝いているポジションで、攻撃のよさを出してもらおう」(横内監督)という狙いでのDF起用となった。

 実際、今季の旗手は川崎の左サイドバックとして出色の働きを見せており、それをそのままこのチームに持ち込みたいと考えるのも無理はない。

 日頃からやり慣れている三笘とセットでの起用も、その文脈に沿って言えば、当然の判断だ。何より三笘自身が昨季以来、スーパープレーを見せ続けているのだから、彼の起用をためらう理由がない。

 ところが、日本の左サイドは期待したほどに機能しなかった。むしろ、三笘と交代で入ったMF相馬勇紀が果敢にドリブル突破を試み、何度かチャンスを作り出したことは、さらに"暗"を際立たせた。

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