日本代表、ロシアW杯ベルギー戦の落胆。惜敗はどんな糧をもたらすのか
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ワールドカップ・敗北の糧(6)
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2010年南アフリカワールドカップでのベスト16に進出してから8年後の2018年、日本代表はロシアワールドカップでもベスト16に進んでいる。8年前と同じく、わずかな差で敗れ去った後のことだ。
「自分たちがどうやって戦うかって部分では、変わったと思っていて......」
どちらの大会でも主将を務めた長谷部誠(フランクフルト)は、無念さを滲ませながら変化をそう切り出した。
「8年前はかなり守備的に戦っていました。(今回は)絶対に受け身にならず、守備でも自分たちからアクションを起こしてやっていこうって話をしていたので、"当たって砕けろ"じゃないですが、自分たちとしてはチャレンジ、チャレンジで......。勇気を持っていけたので、その意味では8年前よりは手応えというか、"戦えた"感触はありました」
2018年ロシアW杯、ベルギー戦に先発した日本代表のイレブン ロシアで日本サッカーはひとつの集大成を見せた。
完全なリアクション戦術に捨て身で挑んだ8年前から、ボールを持って試合を動かし、攻め崩す強さを示している。ベルギー戦の先発メンバーは昌子源(鹿島アントラーズ/当時。以下同)以外、すべて欧州組。選手個々の地力も上がっていた。
それでも、ベスト8への壁を越えることはできなかった。
ベルギーとの華々しい激闘は、サッカー史に残るだろう。現場で目撃した人間にとってはなおさらである。しかし極端に美化することなく、敗戦を糧にする必要があるはずだ。
2018年7月2日、ロストフ。西野朗監督が率いる日本は、決勝トーナメント1回戦でベルギーに挑もうとしていた。それは下馬評を覆す躍進だった。
グループリーグ、日本は初戦で"仇敵"コロンビアを2-1と下した。前回ブラジルワールドカップで完敗した相手だが、試合の入り方で勝った。カウンターを浴びせ、エリア内でハンドを誘い、ひとりを退場に追い込み、PKでリード。猛反撃を食らい、同点に追いつかれたが、数的不利で消耗した相手に対し、本田圭佑(パチューカ)の投入で形勢を逆転。コーナーキックを大迫勇也(ブレーメン)がヘディングで沈めた。
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