2021.03.17

日本代表、敗れてこそ。挫折が改善を生んだW杯史、中田英寿の出現

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 イタリア代表としても活躍し、2006年ドイツワールドカップ優勝も経験したマルコ・マテラッツィは、ペルージャで約半年間、同僚だった中田の印象をそう語っていた。

「中田はどんな時も、動じることがなかった。苦悩している姿は見たことがなかった。ピッチで起こった問題は、彼自身が即座に解決することができた。そして向上心が強かったよ。ただ、トレーニングでは『お前真面目過ぎるぞ』というくらいシリアスな印象だったから、たしなめたくなったな(笑)。こっちが引け目を感じるくらいだったから」

 中田はひとりで大海へ漕ぎ出し、果敢に航路を開いていった。その成功は、徐々に日本人選手の欧州への道を開いていった。それが4年後の日韓ワールドカップにつながるのだ。
(つづく)

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