攻撃的か守備的か。森保ジャパンのシステム使い分けは成功するのか
東京五輪が約8カ月後に迫るなか、U-22日本代表がU-22コロンビア代表と対戦し、0-2で完敗した。
強化試合でU-22コロンビア代表に完敗したU-22日本代表 この試合は、U-22代表にとって国内初の強化試合だったうえ、森保一兼任監督にとっての初陣でもあった。それだけに、試合の結果や内容もさることながら、二足のわらじを履く指揮官の采配ぶりも大きな注目ポイントとなった。
A代表監督での采配と、U-22代表での采配。たしかに2つは異なるチームだが、同一人物が指揮を執る以上、2つのチームには深い関連性がある。同時に、目指すサッカーの整合性が問われて然るべきだ。
しかしながら、2017年10月に東京五輪世代のチーム(当時U-21代表)の指揮官に就任した森保監督は、翌年4月に突如誕生した西野ジャパンのコーチを兼任して以来、実質的に指揮を執っていない。それは同年7月にA代表監督に就任してからも変わらず、現場はすべて横内昭展コーチに任せてきたという背景がある。
もちろん定期的に行なわれるスタッフ会議で情報交換はされているようだが、対戦相手の分析を含めた試合前の準備やメンバー編成、練習メニューなど、そのほとんどを横内コーチが担っていたと推測される。
そういう意味で、今回のU-22コロンビア代表戦で日本が採用したシステムが、これまで横内コーチが浸透させた3-4-2-1になったことは常識的な選択だったと言える。
ところが、0-2のまま日本が苦戦を強いられていた62分のこと。横内コーチの提案なのか、森保監督の発案なのかは定かではないが、日本ベンチは2人の話し合いの下、戦局を変えるべく2枚代えを断行。3バックの右サイドの岩田智輝を下げて攻撃的MFの三好康児を、左ウイングバックの菅大輝に代えてDF原輝綺を投入した。すると布陣は、それまでの3-4-2-1から4-2-3-1へと変化した。
3-4-2-1と4-2-3-1。この2つの布陣は、A代表の森保ジャパンを見るうえでも極めて重要なポイントだ。
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