見えてきた大迫不在時の攻撃パターン。カギを握るふたりのアタッカー

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■W杯2次予選で危なげなく勝ち点を積み重ねている日本代表。しかし、大迫勇也が不在となったときの攻撃を不安視する声はなかなか消えない。では、大迫がいないチームで、どのような戦術や選手の組み合わせが考えられるのか。元日本代表の福田正博氏が分析した。

 日本代表は10月のW杯アジア2次予選で、モンゴルに6-0、タジキスタンに3-0で勝利した。勝敗はもちろんのこと、相手との実力差を考えると、故障のために不在だった大迫勇也に代わるFW陣が、どういうプレーを見せてくれるかを注視していた。

 1トップは、モンゴル戦では永井謙佑がスタメン出場し、鎌田大地が途中から起用された。タジキスタン戦は鎌田大地が先発出場。永井はモンゴル戦で1得点、鎌田は途中出場したモンゴル戦で代表初ゴールを決めて、タジキスタン戦では先制点の起点になった。

W杯2次予選で存在感を見せた鎌田大地(写真左)W杯2次予選で存在感を見せた鎌田大地(写真左) 相手のレベルにかかわらず、FWはゴールという結果を残すことがとても重要になる。とは言え、この先に控えるW杯最終予選や、本番である2022年のW杯カタール大会を見据えれば、対戦相手のレベルはもっと高くなる。そのため、この試合の結果だけで太鼓判を押すことはできない。

 なにも大迫と同じようなプレーができなかったから合格点を出せないのではない。ブンデスリーガで認められる大迫レベルの日本人FWはほかにはいないし、大迫のようなポストプレーを望むのは酷なこと。森保一監督も、招集したFWには、それぞれの特長をしっかりと発揮してもらいたいと考えているはずだ。にもかかわらず、そういう面があまり見られなかったのが、少し物足りなさを覚えた理由だ。

 もちろん、対戦相手との兼ね合いもある。アジアを戦う場合、実力差の大きく劣る相手だと日本代表が一方的に押し込むケースが多い。

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