2019.06.13

スペインの目利きが森保ジャパンを
激賞。「明らかに改善している」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Fujita Masato

「さまざまなシステムを用いることができることは、今後の戦いにおいて大きなアドバンテージになるだろう」

 スペインの目利き、ミケル・エチャリ(72歳)は開口一番、エルサルバドル戦で2-0の勝利を収めた日本の戦い方を褒め称えている。

「エルサルバドル戦の日本は非常に面白い動きを見せ、連係を結んでいた。とりわけ、攻撃に関してはアイデアが明確で、どのように動くべきかを選手たちは心得ているようだった。それぞれがスペースを使い、作り、支配するという行動を理解し、手際よく繰り返していた」

 現在も世界中のサッカー関係者から戦術の講義のために招かれているエチャリは、森保ジャパンが新たに採用した戦い方を克明に分析した。

「日本はトリニダード・トバゴ戦に続いて、3-4-2-1のシステムを採用した。開始早々は手探りながらも、徐々にゲームを支配した。システムの運用面で明らかに改善が見られ、攻撃面で強度を高めていた。

 1トップの背後にポジションを取った堂安律(フローニンゲン)と南野拓実(ザルツブルク)が、インサイドにポジションを取ったとき、ウィングバックで高い位置を取った伊東純也(ゲンク)、原口元気(ハノーファー)が大外にできたスペースを使う。そのとき、ボールを受けた選手をサポートする形で逆サイドの選手、中盤の選手、トップの選手がそれぞれスペースを支配。ポジション的優位のおかげで波状攻撃ができたし、反撃を許さなかった。

エルサルバドル戦で2ゴールを挙げた永井謙佑 一方のエルサルバドルは4-1-4-1のシステムを採用し、中央を固めながら、サイドの入り口を封じる狙いだったのだろう。テクニカルな選手が多く、その面でのレベルの高さも見せた。しかし攻撃は推進力に欠け、深さを作れないため、じりじりと押し込まれることになった。ボール支配率は51%と健闘したものの、それは試合状況(リードした日本が無理に攻めなかった)によるものに過ぎない」

 前半19分だった。日本は右センターバックの冨安健洋(シント・トロイデン)がボールを持ち上がって、アウトサイドにできたスペースにパスを流し込む。これに永井謙佑(FC東京)が反応し、ボールを受けると鋭く切り返し、左足で先制点を流し込んだ。