2019.06.07

久保建英への「配慮」は必要か。
代表デビューのタイミングを占う

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 牛島寿人●写真 photo by Ushijima Hisato

「今シーズンは対戦していないので、スカウティングはしていない。ただ、ビデオでプレーは見たことがある」

 ジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ監督)が師と仰ぐフアン・マヌエル・リージョ(元ヴィッセル神戸監督)は、日本代表MF久保建英(FC東京)について語っている。

「久保にスーパープレーをやってのけるポテンシャルがあるのは、すぐにわかった。問題は、技術的なうまさをコレクティブな(集団の中での)アドバンテージとし、敵に対して問題を引き起こせるかどうかだ」

 リージョはそう言って、こう続けている。

「期待と人気と実力を一緒くたにすべきではない。久保は若いだけに、それらを混同すると厄介なことになる。あるいは、周囲が重圧を和らげる必要もあるかもしれない」

 最後の言葉は、トリニダード・トバゴ戦で久保をベンチから外した森保一監督のコメントと符合している。

トリニダード・トバゴ戦はスタンドから観戦した久保建英<久保、代表デビューへ!>

 そんな期待感は高まり続けている。本人の好む、好まざるにかかわらず、盛り上がっているところがスターの証だろうか。それにしても常軌を逸した熱気だ。

「久保に関しては、メディアをとおして、代表を見ている皆さんの期待をひしひしと感じています」

 トリニダード・トバゴ戦後、森保監督は言葉に注意を払いながら、メンバー外にした理由を明かしている。

「クラブでのプレーを通じ、久保はA代表でもできることを証明しています。できれば使いたいという気持ちはあるのですが、まだ18歳になったばかりで、移籍の報道が飛びかっていたり、いろんなプレッシャーがあるのも事実。少し緊張の糸を緩めながら先に進むべきではないかと考えました」

 たしかに久保の周辺は騒がしすぎる。17歳でJリーグの顔となって、代表初招集。18歳の誕生日(6月4日)を契機に、欧州移籍話が加熱。バルセロナ、レアル・マドリード、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマンなど、ビッグクラブが獲得争いに参戦したとも言われている。移籍マーケットでの駆け引きは熱さを増すばかりだ。