伊東純也にはデカい夢がある。ビッグクラブ移籍へ「スーパーな存在に」 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • 渡辺航滋●撮影 photo by Watanabe Koji

―― 移籍してきた当初、伊東選手のコンディション面について、ゲンクのフィリップ・クレマン監督のコメントはポジティブなものではありませんでした。

伊東 たしかにそうですね。実際、コンディションが悪かったですし。アジアカップが終わって日本に帰り、引っ越しの準備や柏レイソルへの挨拶などを済ませてからオランダに向かい、到着してからさらに陸路で3、4時間。ようやくゲンクに着いたら、翌日にフィジカルテストでした。

―― それがすぐ、日本で記事になってしまった。

伊東 「伊東の能力は平均以下」と日本で報じられ、友人からラインで「大丈夫か?」って心配されました(笑)。あくまでフィジカルテストの数値だから、別に気にすることではないんですけど、日本で必要以上に大きく取り上げられてしまったので、面倒くさかったですね。

―― どうやってコンディションを戻したのですか?

伊東 どうやってもないです。とりあえず活躍しないと「地獄」なので。

―― 地獄?

伊東 今は充実感がありますが、ゲンクに来た当初は「何とかしないといけない」という感じでした。ただでさえベルギーで独りなのに、試合に出ることすらできなかったら......もう地獄ですから。

―― 必死になってプレーしたんですね。

伊東 すぐに結果を出せたので、本当によかった。そうでなかったら、その後は試合に使ってもらえなかったと思います。

―― 監督やチームメイトとのコミュニケーションはどうですか。英語が苦手ということでしたが。

伊東 コミュニケーションは、なんとなく......ですね(笑)。多少の英単語はわかるので、それを駆使してがんばっています。

―― では、ピッチの上では苦労もなく?

伊東 はい。戦術の指示も、だいたいはわかりますので、今は大丈夫です。

―― 3月で26歳になりました。もう26歳? それとも、まだ26歳?

伊東 「ラストチャンス」くらいに思っています。

―― 「チャンスを掴んだばかり」とも言えますよね。

伊東 この数カ月で多少のことはわかったので、次の1年が勝負です。そこで活躍して、ビッグドリームを掴みたい。サッカーをやっているからには、上を目指してやりたい。時間は限られているので、知名度を上げて、誰もが知っている選手になりたいです。

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