スペインの知将が森保Jをぶった斬る。「プレースピードが遅い」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 エチャリは苦言を呈する一方、評価する選手もいた。

「ボランチに入った橋本拳人(FC東京)のプレーは特筆に値した。守備面での仕事の質は高かった。スペースを支配しながら、ボールが入るタイミングを迅速に予測。非常に鋭い出足で、インターセプトに成功していた。

 先発メンバーの中で、橋本は一番気に入った選手だ。

 中盤で橋本とコンビを組んだ小林祐希(ヘーレンフェーン)も、悪いMFではないだろう。左利きで、パスセンスには見るべきものがあった。ただ、守備面に課題があるように見えた。もうひとつ前のポジションのプレーヤーではないか。

 前線では、トップ下に入った香川真司(ベシクタシュ)の動きが鈍かった。ボールを受けに中盤に落ち、サイドにも積極的に流れていたが、効果的ではない。連係が思うようにいかず、ロシアW杯のようなプレーは見せられなかった。それは宇佐美貴史(デュッセルドルフ)、乾貴士(アラベス)も同じだろう。とくに宇佐美はほとんど存在感がなかった。

 一方で、1トップに入った鎌田大地(シント・トロイデン)は少なからず可能性を感じさせた。サイドに流れてから、ディフェンスの裏を取るように対角線に流れる動きは、感覚のよさを示していた。GKとの1対1は外してしまったが......」

 日本はボリビアの守りを崩せないまま、後半15分まで突入。そこで、中島、堂安、さらに南野拓実(ザルツブルク)を投入したことによって、局面は大きく変化している。後半31分、鮮やかなカウンターから中島が決勝点を決めた。

「得点シーンは、左サイドで橋本がサイドバックの佐々木翔(サンフレッチェ広島)と連係して、相手選手からボールを奪い返したところから始まっている。

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