森保J「大迫の代わりがいない」以外の新たな課題が明らかになった (3ページ目)
同時に、香川に関しては、実績がずば抜けているだけに、堂安や中島と一緒に先発した場合に、どんなプレーをするのか見たかったというのが正直なところだ。
先発したボリビア戦で香川は、乾貴士(アラベス)とともに、狙いを持って攻撃を組み立てていた。相手が引いて守るため前線にスペースがないなか、中盤に引いてボールを受けると左サイドの乾へのサイドチェンジや、安西を絡めた攻撃で相手を崩そうとした。乾も香川の意図を汲み、中間ポジションをとりながら、SBの安西を使いながら何度も左サイドを攻略した。それに比べると、右MFの宇佐美貴史のパフォーマンスは、やや物足りないものだった。
今回の親善試合での1勝1敗という結果は、フルメンバーを招集していないだけに、消化不良な部分も残った。しかし、森保監督の目指しているゴールが3年後のW杯カタール大会だとするならば、ここまでは順調に来ていると言っていい。
1月のアジア大会は準優勝に終わったものの、昨年9月に新たにスタートした森保ジャパンは、世代の融合を着実に進めている。Jリーグで結果を残した若手や、可能性のある選手、海外で試合に出ている選手を招集して刺激を与えながら、チームを成長させ、W杯ロシア大会よりも一段も二段もレベルアップしたチームをつくるため、一歩ずつ前進している。チームとしての完成度を論ずるのは、まだ早いだろう。
多くの選手を呼んで、森保サッカーのコンセプトを伝えながら「日本代表候補の集団を大きくする」という視点に立てば、今回の2試合は収穫もあった。香川や安西、畠中など森保監督が新たに招集した選手たちの連係がさらに高まる次回、どんな化学反応をもたらすのか期待を抱かせてくれたからだ。
日本代表は6月に2試合の親善試合を経て、6月中旬には20年ぶりにコパ・アメリカに出場する。森保監督の選手選考は、海外組だけでなく、Jリーグもしっかり観ながら選手をピックアップするだけに、どんなメンバーを招集するのか興味深い。そして、日本代表入りに向け、ここから2カ月のJリーグで多くの選手がアピールしてくれるのを楽しみにしたい。
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