森保J「大迫の代わりがいない」以外の新たな課題が明らかになった

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Fujita Masato

福田正博 フットボール原論

 コロンビアとボリビアという南米との対戦で1勝1敗。そこで浮かんできた森保ジャパンの新たな課題とは何か? 元日本代表FWの福田正博氏がこの2試合を振り返り、考察した。

 コロンビア、ボリビアとのテストマッチは、中島翔哉(アル・ドゥハイル)が現在の日本代表では別格であることを証明する試合だった。先発出場した1戦目のコロンビア戦前半にすばらしいパフォーマンスを見せ、2戦目のボリビア戦は途中出場して決勝点をあげた。

コパ・アメリカへ向けて新戦力を起用した森保監督コパ・アメリカへ向けて新戦力を起用した森保監督 コロンビア戦前半の日本代表は、DFラインから最前線までがコンパクトな距離感を保ち、連動して相手からボールを奪うと、中島が敵陣のスペースで起点となって時間をつくった。そこから、味方が攻め上がった右サイドに展開しながらゴールに迫った。

 しかし、後半になるとコロンビアがレベルの高さを発揮。中島の背後に攻撃の起点をつくり、日本代表から攻撃のリズムを奪った。中島への守備対応でも安易に飛び込まず、じっくり対峙して遅らせながら味方のサポートを待った。これによって中島が封じられると、日本代表は攻撃の形が作れなくなってしまった。

 ここが今後の課題だろう。今回は招集外の大迫勇也(ブレーメン)がいれば違う形の攻撃も繰り出せたかもしれないが、FW陣には大迫の代わりがつとまる選手がいない現状を考えれば、大迫を欠く試合で攻撃の起点になる中島が封じられたときにどうするのか。攻撃のバリエーションを増やさないと厳しい。

 FWには鈴木武蔵(コンサドーレ札幌)と鎌田大地(シント・トロイデン)が招集された。Jリーグで結果を残しているものの、大迫とはプレースタイルの異なる武蔵にポストプレーを求めるのはやはり酷なこと。事実、コロンビア戦では、前線にボールがおさまらないことで2列目の選手と前線の連動が少なかった。

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