2019.03.17

南雄太が語る20年前の準優勝
「小野伸二よりうまい選手はいなかった」

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai keijiro

「当時の伸二は、マジでヤバかった。本当に『すげぇな、こいつ』って感じでした。プレーだけじゃなくて、人間性もそうだし、キャプテンシーもすごかった。とにかく、チームメイトの伸二に対する信頼感がすごくて、『伸二がいれば』という状態になっていた。

 あの個性的な世代がひとつにまとまることができたのは、伸二という存在がいたから。それほど、飛び抜けた存在の選手だった。

 だから、あの1999年の大ケガ()さえなければ、どうなっていたんだろう……って思いますよね。それこそ、バルセロナとか、レアル・マドリードとかに初めていく日本人選手になっていたのかなぁって思います」
※1999年シドニー五輪アジア1次予選のフィリピン戦において、小野は相手からの悪質なタックルを受けて左膝靭帯断裂という重傷を負った。

 チームは”エース”の小野を中心として、初戦の敗戦から立ち直り、決勝トーナメントに進出。以降も、1回戦でポルトガル、準々決勝でメキシコ、準決勝でウルグアイを破って、ついに決勝戦まで駒を進めた。

 決勝進出に至るまでの、ポイントとなった試合はどのゲームだったのだろうか。南はこう語る。

「グループリーグ2戦目のアメリカ戦に勝ったのが大きいですけど、一番は(決勝トーナメント1回戦の)ポルトガル戦ですね。がっぷり四つに組んだ試合でしたけど、すごく苦戦した。相手GKが負傷退場して、フィールドの選手がGKになったのに、点が取れなくて……。

 今も覚えているのは、バン(播戸竜二)が途中から出てきて、決定的なシュートをその(フィールドプレーヤーの)GKに取られたんですよ。そういうのもあって、なんかイヤな雰囲気だった。

 結局、PK戦までもつれてしまいましたけど、”素人GK”には負けられないですからね。みんな、PK戦ではしっかり決めた。『これは手強いな』という相手に勝つことができたのは大きかったと思います。