2018.12.04

森保ジャパンは「監督が日本人であることのメリットを最大化している」

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Matsuoka Kenzaburo

福田正博フォーメーション進化論

 森保一監督が指揮を執る新生・日本代表は、2018年の親善試合5試合で15得点。キルギスなど、対戦国が格下のときもあったにせよ、若い選手が中心になったチームが躍動する姿は、注目度や期待感を高めることになった。

 森保ジャパンはハイテンポでパスを回し、アグレッシブにゴールへ迫る。この攻撃スタイルは世界の潮流であり、ヴァヒド・ハリルホジッチ元監督やハビエル・アギーレ元監督も目指したものだ。しかし、前任者たちは構築に苦労して、日本代表では理想とする姿を見せられなかった。

2018年を無敗で終えた森保一監督 しかし、森保監督は就任後、一緒にトレーニングをする時間が限られているなかでその戦い方を浸透させていった。これができている理由は、日本人監督だからこそのメリットを最大限に生かしていることにある。

 外国人監督を招聘すると、就任からしばらくは文化や教育を含めた国民性、日本サッカーの成り立ち、海外組とJリーグ組の選手の把握などに時間をとられてしまう。イビチャ・オシム元監督や、ジーコ元監督のように何年もJリーグで指導やプレーをしていれば別だが、”世界とアジア”で戦う相手のレベルが変わるダブルスタンダード問題など、日本代表が置かれた特殊な状況はなかなか理解しにくいものだ。

 また、これはどこの国の代表チームでも起こりうることだが、時間をかけて相互理解を深めたとしても、メンタリティーを共有できないと、”不幸な信頼関係の欠如”に至ってしまうこともある。

 こうしたことを森保監督は就任前から理解し、プレースタイルにとどまらず、メンタル面もわかっている選手たちと同じ言語でコミュニケーションを直接とれる。このメリットを生かして、自身が目指すサッカーを日本代表に浸透させている。