2018.11.18

クラブで不遇の柴崎岳に
嫌な質問をぶつけた。「試合勘の影響は?」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 今夏に行なわれたワールドカップで、もっともインパクトを放った日本代表選手は誰か?

“半端ない”ゴールを決めた大迫勇也(ブレーメン)はそのひとりだろう。ベルギー戦で先制弾を奪った原口元気(ハノーファー)も候補者に含まれる。2ゴール・1アシストと最高の結果を示した乾貴士(ベティス)だという人もいるだろう。ただ個人的には、卓越したパスワークと視野の広さを生かし、華麗にタクトをふるった柴崎岳(ヘタフェ)だと考える。

ウルグアイ戦の出来とは一転して積極性を見せていた柴崎岳 長く遠藤保仁(ガンバ大阪)が担ってきた中盤のポジションは、その後、後継者が定まらないまましばらく時を過ごした。柏木陽介(浦和レッズ)や大島僚太(川崎フロンターレ)らが名乗りを上げたものの指定席は掴み取れず、柴崎自身も後任候補に挙げられながら、チャンスをモノにできずにいた。

 しかし、ロシアで示した柴崎のパフォーマンスはまさに司令塔と呼ぶにふさわしいもので、攻撃陣を巧みに操り、日本をベスト16に導く原動力となっていた。まだ26歳という年齢を考えれば、ウイークポイントと見られていたボランチのポジションは、4年後まで安泰かと思われた。

 ところが、輝かしい未来を切り開くかと思われたこのボランチは、ワールドカップ後に突如、奈落の底に突き落とされてしまう。所属先のヘタフェで試合に出られない苦境に陥るとは、想像もつかなかったに違いない。

 柴崎の置かれた状況は、森保一監督が就任した日本代表にも影響を及ぼすことになる。10月に行なわれたウルグアイ戦のパフォーマンスからは、ロシアで放った輝きが完全に消え失せていた。

 パスミスが目立ったのも確かだが、そもそもボールに触る機会が少なく、攻撃を司る役割を担えない。南野拓実(ザルツブルク)の2点目となるゴールの起点になったとはいえ、それ以上にマイナスな側面ばかりが目についた。攻守両面において積極的だったもうひとりのボランチ、遠藤航(シント・トロイデン)のパフォーマンスばかりが目立っていた。