森保一監督の「日本代表への姿勢」は、チリ戦、コスタリカ戦でわかる (2ページ目)

  • text by Sportiva 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

杉山 ロシアW杯のメンバーを見ると、若いといっても大島僚太(川崎フロンターレ)、遠藤航(浦和レッズ)が25歳、フィールドプレーヤーで一番下が24歳の植田直通(鹿島アントラーズ)。そのあたりから21歳までの選手が今後3年の間で代表の8割ぐらいを占めるようになると、計画的に強化されたということがいえると思います。もっと若い、21歳以下の選手を入れて「オリンピック代表をフル代表に入れて鍛えます」という言い方をしてもいいけれど、急に21歳だけにしたら勝てない。やはりロシアW杯の代表に選ばれなかったその上の世代を入れていく必要があると思います。

浅田 それでも24、25歳は、大島や遠藤を含めて、コンスタントにとまでは言わないけれども、それなりに呼ばれている。でも、井手口陽介(22歳/グロイター・フェルト)や三竿健斗(23歳/鹿島アントラーズ)らの世代の選手は、結局、全部切っちゃってロシアに行ったわけです。だから、どうしてもその年齢層が手薄になっている。そこはやはり、ちょっと意識的にテコ入れをすべきなんじゃないかという気がします。

杉山 そこの世代を6、7人を入れると、上の差代を同じ数だけ切らなきゃいけないじゃないですか。ところが森保監督は、就任記者会見でそこを「融合させる」という言い方でお茶を濁していました。「100%、こうします」ではなくてもいいけど、「どちらかというと若手を使っていきたい」ぐらいのことは言ったほうがよかったんですよ。

 本来はここで気分を入れ替えるべきなのに、せっかく新監督にしたのにもかかわらず、気分を一新したという感がない。これが外国人監督だったら、「なんでこの人を選んだの?」というのも含めて、メンバーをガラッと変えていったでしょう。それで芽が伸びるかどうかは別にして、呼んだということに価値がある。そこに監督としての姿勢が見えるし、他の選手も頑張ろうという気になる。

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